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    風早草子

    風早草子
    カザハヤソウシ

    最後の文化祭

    ランニング中に見つけた小さい秋。道端に生えているノブドウは実がパステルカラーに色付く。松の根元に咲いている花はツルボというらしい。一色海岸の端にはひっつき虫、オナモミがたわわに。毎年何度も通っている場所だけど、ここにオナモミが群生していることは意識してなかった。目に映っているはずなのに、気付いていないことはたくさんあるものだ。

    今日は中学校の文化祭。うちの子たちが通う中学の文化祭は体育館で美術部、英語部、科学部が発表をしたり、英語のレシテーションコンテストがあったりして、メインは各クラスの合唱の披露、そしてトリは吹奏楽部の演奏、終わったあと、生徒主導の後夜祭があり、志願者が自分が習っているダンスの演技を披露したりする。合唱とかに生徒が男子も含めてみんな一生懸命に取り組んでいるのがとても良くて、妻も私もこの中学の文化祭は好きだ。うちの双子もそれぞれのクラスの合唱に結構燃えている。上の子達、長女も長男もそうだったな。次男はちょっと微妙だったか?(笑)

    私の中学時代、少なくともうちの学校は、シラケ世代というものだったのか?こういう学校行事に懸命になることは格好悪い、みたいな風潮があり、いかにサボるか、手を抜くか、みたいな感じだった。男子で一生懸命に合唱なんて歌っていたら、からかわれる雰囲気。何かにつけ「だり〜」と言ってる方が普通?嫌な風潮だな。本当は一生懸命やった方が楽しかったと思うが。ただ我々の時代は子どもが多過ぎて、こういうイベントも自分たちの出番は一瞬しかないのが標準で、待ち時間ばかりで本当につまらなかったのかもしれない。教室が足りなくて、校庭にプレハブの仮教室が立っていたし、スポーツチームに入っても簡単に試合にすら出られなかった。野球チームなんて、自分のノックの順番すらなかなか回ってこなかった。そして金八時代で、中学校も大荒れだった。不良がトイレで集団でタバコを吸い、国士舘出身の体育教師がそれをぶん殴って制圧しているのが日常風景って、どうかしてる。まあこれはあくまで私が暮らしていた東京大田区の「線路向こう」と言われるヤバい地域の話で、他所がどうだったかは知らない。

    私は午後の三年生の合唱から観覧に。みんな一生懸命に歌っていた。そして吹奏楽の演奏も盛り上がっていた。合唱のあと、双子はそれぞれ、観客席の私と妻のところに「僕たちの合唱、どうだった?」と感想を聞きにきた。この二人は中3になってもこういうところが全く屈託がなくてかわいい。(笑)双子2号君はクラスの代表委員なので、整列とか集合をまとめる役目も務めていた。大きくなったものだ。

    トーさんもこういう中学生活が良かったな、と思う文化祭もついに今回で最後。次に中学に来る用事は二人の卒業式になるかもしれない。

    おまけ。

    五島に行ってる長女からねぶたと拾ったおもちの画像が送られてきた。島縞さんのところのお祭り、楽しんでるみたいです。行くまでお祭りがあることを知らなかったみたいですが。

    書き手

    海秋紗

    海秋紗

    神奈川県葉山町/57歳

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