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    風早草子

    風早草子
    カザハヤソウシ

    草刈り

    本日はチーム仙元山の草刈り。在宅勤務前、朝7時に集合して仙元山山頂へ。雨が上がって快晴で絶景。もう10月中旬、昨日雨も降ったけど富士山はまだ冠雪していない。

    商店会の草刈りチームに入れてもらって二年ほど。少しは馴染んできたかな?第三金曜日が草刈りとなっているが、真夏は暑いので休止。再開した先月は雨で中止だったので草は伸び放題。今日は参加者が少なめだったのでなかなかハードだったが、朝からいい汗をかいた。

    結構、頑張って山頂付近はスッキリ。

    しかし、作業をしながらちょっと思ったのは、これ、熊がいる地域だったら怖いなと。三浦半島には熊はいないので心配はないけど。

    秋田市に熊が出ているって、どのあたりなんだろう?と思って調べてみたら、千秋公園のあたり。って、秋田出張した時に私が走ったあたり、街のど真ん中だ。ちょっとびっくり。もうこれは駆除するしかないだろう。

    田畑や領民に被害を及ぼす野獣の駆除は、古来から領主の務めだ。鹿や猪が増え過ぎれば、軍勢と領民を動員して大規模な狩りを行うなど、領地の管理の一環だ。江戸時代の対馬藩では、農地への被害が大きい猪を藩を上げての駆除作戦で絶滅させた例もある。現在の日本では、草食獣の天敵となるオオカミが滅びているので、放っておけばシカが増えすぎるのは当然で、その管理は趣味で狩猟を行うハンターに任せておくべきものではない。マネージメントという感覚で現代の領主たる行政が行わなければならない。鹿にしても猪にしても熊にしても、「殺すのは可哀想」とかいう意味の分からない苦情の相手をしている場合ではないのである。

    ちなみに私はバードウォッチャーであり、自然保護活動を行ってきた人間だけど、動物が可哀想だから殺すな、というような感覚は持ち合わせていない。密猟とか乱獲とか、生息地が消滅するような乱開発には厳しいが、適正なルールを守った上での狩猟にとやかく言うことはないし、鴨の肉だっておいしく食べる。バードウォッチャーだと言うと「焼き鳥食べないの?」とか聞かれることは割とよくあるのだけど、私の知り合いのバードウォッチャーにそんな人間は一人もいない。むしろメンタリティは釣り人とかハンターとかに近くて狩猟民的だ。焼き鳥だって大好きだ。なので、動物が可哀想だから殺すな、と役所に苦情を入れる人間の神経は理解できない。

    かつてイノシシについて中国地方で長期間取材していたことがある。まあはっきり言って人間とイノシシは共存できるような関係ではない。草食動物ではなく、雑食で人間が食べるものがイノシシも大好物なので、農家にとっては不倶戴天の敵でしかない。もののけ姫の祟り神そのものだ。古来山を切り拓いて農地を広げていくときは、猪を駆除する銃が必須だったし、それが使えない場合は、山から猪が出てくるのを防ぐ長大な猪垣という石垣などの防衛線を築いた。ただ明治以降、野放図な狩猟、そして外国から入った豚コレラという病気の影響でイノシシは一時的にかなり減少したと考えられている。そして燃料を薪に頼っていた昭和30年代まで、人里近くにはハゲ山に近いような山ばかりで、猪や熊が潜めるような藪山はほとんど存在しなかった。しかし現在は町のすぐ際まで野獣が潜める藪山が広がっている。日本の山野の環境は大きく変わっているのだから、それに合わせた管理、マネージメントが必要だと思う。以上、余談と私見でした。

     

    書き手

    海秋紗

    海秋紗

    神奈川県葉山町/57歳

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