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    もしもし五島列島

    もしもし五島列島
    モシモシゴトウレットウ

    職を失った日、5000円のICカードとバスの回数券を落とし、服の買取合計が100円。

     

     

    ICカードを落とした。時間かけて必死に探したけど、見つからなかった。

    機種変して、スマホにおサイフケータイ入れるのがめんどくさくて、カードのICをしばらく使っていた。

    最近5000円チャージしたばかりで、特にショックが大きい。

    しかも2日前にバスの回数券も落としたばかり。しかも2枚も。

    (バスの回数券と言っても、県をまたぐ、しかも3県も・・・なバスの回数券なのでこれの単価が高い。はあ)

    手に持つものは、スマホ以外無くしてしまうので、全てのものはスマホに紐づけないといけない・・・という教訓になった。

    このWパンチの損失に耐えられず、時速3メートルくらいのスピードでしか歩けなくなってしまって、トボトボ歩いていた。仕事も最近失ったので、時間だけはあるから、ICカードについては、今日歩いてきた全ての道を引き戻してみようと思った。40分ほど歩いて、行った店全てに問い合わせてもなかった。また、トボトボと帰る。ぐるぐる反省しながらものを探すので、視野がとっても狭くて、もしかしたら道中にあったかもだけどそれも見失ってたかも。

    私が過去にICカード拾った時は1万円も入ってた。(残高確認した)それなのに!私は使わなかった!!!!交番に行ったぞ。そして、持ち主がしばらく見つからなかったら貰えるやつになりますように・・・と強い祈りを込めて手続きをした。

    そして結局持ち主が見つかってしまった経験がある。

    無くしものをしたときや嫌なことがあった時、祖母は、「何かもっと悪いことが起きるのを守ってくれた」という。そして失敗はするものだからしょうがない。と。

    一度私が財布を無くして落ち込んでいた時、祖母は自分のルイヴィトンの財布の中に10000円入れt私にくれた。人は失敗するからしょうがないんだと。そしてこの財布も無くしていいんだよ。との手紙を添えて。

    親からは散々怒られ、注意された後で、自分でも本当に反省した直後だったので、むしろ笑いが止まらなかった。面白くて元気出た。

    このことを思い出しながら歩いていると、もしかしたらこの私のICカードで誰かが幸せになってくれているかもしれないと思えた。やなせたかしの本も読んでいたおかげかもしれない。誰かがコンビニでご飯買ったり、交通費になってもいい、幸せになってくれたかもしれない。

    と言っても、やっぱり!!!!やっぱり!!!このお金は自分のものであり、自分で使い切りたかった。だって私は無職だよ。そんな大盤振る舞いなこと言ってらんねえよ。

    しかし、ちょうど今日はいつもはバーコード決済なのに、友達への手土産も、ランチもどっちもICで払っていた。こんな日はない。使っといてよかった。使ったせいで落としたのもあるかもと思ったけど確実にこれらの時はあったので、また別のタイミングで無くしている。

    だから、これは、友達へのプレゼントはいいものを買え!ランチは食べにいけ!みたいな教えだったのかな!

    さらに、いつもは神社は必ずしっかり御礼して賽銭もするようにしているのだが、今日はめんどくさくなってただ遠くから雑に手を合わせるだけになってしまっていた。しっかりお参りすること、なんでも丁寧に。この落とし物で学びがたくさんあったし、もう二度とないようにしたい。そしてもし自分が見つけたら、ここまで苦しんでいる人のために早々と交番に行こうと思う。

    次の日、「大切なものを二度となくさないように・・・持ち物をだいぶ少なくする大作戦をするぞ!」と、だいぶ好きな服も売ることにした。たくさん。

    セカンドストリートでたくさん服を売って、そのお金でもう物に変えられない美味しいご飯を食べようと思った。

    20点くらいの服たちの合計、100円だった。

    100円かあ・・・・・!!!!きゃー!!ほえー!つらー!パニック!はヒョー!といろんな感情祭りだったけど、ガリレオのごとく冷静淡々に、100円ということを知っていたかのように、この服たちに一切未練がないかのように、受付処理を終わらせてさっと店を後にした。

    店を出た時、私はこの話を「週末会う友達に話すネタになったぞ〜」と思ったけど、体は正直で、ふらついてしまい、ショッピングモールの壁にもたれかかって動けなくなってしまった。

    しかも私はこのために1時間も歩いてここに着いた。

    その結果が100円。

    本当は目星をつけていた1500円のトンカツ屋があったけど諦めることにした。また時速

    3メートルで歩いていたら、260円でのり弁を出すお店を見つけた。幸せ。このご時世260円でおにぎりが買えるだけでありがたいのになかなかしっかりしたのり弁。

    これを見つけたところで、100円のショックは拭えないし、買う元気もない。

    だけど、こうやって損したお金に囚われ続けている間にも、私のような人のために必死で安くて美味しいものを提供してくれてる人たちがいると思うと私も自分の損に囚われてないでさっさと早歩きしようと思った。これはこれで切り替えて、落ち込んだ時はサイゼリアに行くぞ。いつもより多くドリンクバー飲むぞ。オリーブオイルかけるぞ。

    書き手

    中村千結

    中村千結

    長崎県五島市・東京都大田区/24歳

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