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    もしもし五島列島

    もしもし五島列島
    モシモシゴトウレットウ

    デジタルデトックスするならスマホを抱きしめたままで

     

    毎日、狂ったように時間を吸い取っていくメインのスマホを、家の中でなくした。

    家の中だし、スマホは二台持ってるし、「まあいっか」と思って探すのをやめた。

    結局、寝るときもスマホは手放さない生活なのに、そのまま眠って、次の日も何事もなかったかのように起きた。

    朝からスマホが日常なのに、その日はSNSを開かず、お昼まで過ごした。

    最初は穏やかだった。

    でも、気づかないふりをしていたモヤモヤが、時間と一緒に膨らんでいく。

    理由のわからない違和感。

    落ち着かなさ。

    そして、ついにイライラが弾けた。

    必死の捜索。

    見つからない。

    見つからないから、さらにストレスが溜まる。

    全部、自分。

    「スマホから離れるいい機会だ」と思おうとした。

    でも私は、思っていた以上にスマホ中毒で、どうしようもなかった。

    同じ頃、ワイヤレスイヤホンもなくした。

    片方は夜行バスで寝ている間に落ちたらしい。

    落ちたことには気づいていたけれど、探す気力がなく、そのまま置いてきてしまった。

    それからずっと、片方だけで使っている。

    そういえば、あのもう片方。

    誰かの耳で音楽を聴いているのか、

    それとも夜行バスの通路で、今も爆音をかましているのか。

    そして、唯一使っていたもう一個。

    何度もなくしかけては、ギリギリで見つけてきたのに、

    とうとう、本当に、なくした。

    本格的に、いない。

    ものをとことん大切にできない人間だな、と思いながら、落ち込んで歩く。

    自分に呆れながら、でもどうにもできない。

    「あえてなくす」なら、デジタルデトックスという名前をつけられたかもしれない。

    前向きな選択だったことにできたかもしれない。

    でも、不本意に失くすと、残るのは後悔だけだ。

    しかも、こういった後悔たちや悔しい思いや辛い日常をいつもカモフラージュしてくれていた道具たちであるスマホやイヤホンを、私は同時に失くしている。そのため気持ちの整理が一向につかない。

    デジタルたちは私の日常にモヤを与えてくれてそしてあらゆる言い訳の土台になってくれていたのだ。

    デジタルデトックスをしたとしても、そばにはいてほしい。

    書き手

    中村千結

    中村千結

    長崎県五島市・東京都大田区/24歳

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