よりおおらかにオープンに
ちょっと前の話。断片として残すのがもったいない気がして、寝かしていた。 西荻窪に占いに赴く。お相手はフニラさん。1年半く...
悩みのタネに水をまく
ナヤミノタネニミズヲマク
2025年6月15日
金曜、現場Aの最終検査の日。数カ月電気工事士、図面師、そのたもろもろ携わった新開拓の地である。
わたしの施したコンセントや照明など1つ1つがくまなくチェックされていく。こちらも事前にもれなくくまなく見てきたので大丈夫であろうものの、終始なにかしでかしてしまうのではと胸が静まることはなかった。
そんな心配をしていると検査は終わった。特に大きな問題はなかった。よかった。水をまいたところにひとつの実りが。
夜は西荻窪にて乾杯する。
サロン谷口のアジトである「猫の髭」にも訪れる。
6月はサロン谷口はおやすみしているので、その空間を訪れるのは久しぶりだったが、やはり落ち着く場所だった。
土曜、みせは・・・おやすみとして、現場Bに行く。来週頭からの作業がはじまる前にわたしのやることを進めておくのが目的だった。土曜なので相番とはならず、ひとりで黙々と進めることができた。
現場では他の業種の職人さんが同じ日に作業に入ることを相番(あいばん)もしくはバッティングと呼ぶ。一緒に入ってスムーズに進める意図で行われることがあるけど、どちらかというとタイトな日程だったり職人さんのスケジュールの都合で発生することが多い。後者の相番だと、同じ箇所での作業ができなかったり、動線がかぶったりと効率的にはよくない。そのため作業にあたり、一般的にはなるべく相番は避けたほうがいい。一方でわたしは現場経験が浅いので、他の職種の動きや関連を知るために一緒に入った方がいいときもある。結局のところ、人と時と場合による。
昼すぎまで作業を終えたら、駅前でごはんを食べて、帰りの電車で本を読む。かばんに入れていたのは「ユーモアの鎖国 新版/石垣りん」だった。最近文庫本で復刊して、Black Flagみたいな表紙に惹かれて購入した。石垣さんは戦後復興しつつある日本で、はたらきながら作品を作り続けた詩人である。はたらく人の綴った文には魅力がある。あとはリズムのあることばや、文字のひらき具合(ひらがなと漢字のバランス)が心地よくて、ゆられる電車も相まって結局はいくつかのエッセイを読んだのち、寝た。
ゆたかでない人間のゆたかさが湯気の中で、 むこう向きにうなじをたれている。