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    悩みのタネに水をまく

    悩みのタネに水をまく
    ナヤミノタネニミズヲマク

    くすみのいちにち、そして偶像主義

    日曜、おみせはメンバーにゆだねて、リカバリーデーとする。ひきつづき腰痛をなだめすかす1日となった。どんよりとした空模様だったので、家からほとんど出なかった。来週はそれほど過酷な環境での作業はない予定だけど、なるべくいたわりたい所存である。

    週末にコンビニでブルーナアニマルのくじを見つけて、一回だけ引いたところ、D賞チャーム付きマスコットが当たり、わが家にカメがやってきた。商品紹介では「くすみカラーで彩る秋色ギンガムチェックがテーマ」とかかれていて、確かに落ち着いた淡めのカラーであるが、マスコットとすると若干の経年を感じさせる。馴染みやすいということにする。

    三十年商店のみなさんがいろいろなアニマルと生活をともにしていて、それを眺めるたびにときめく。わがペット遍歴は、亀1匹。以上である。今も実家で飼っている。名前はフランソアという。わたしが小学生のころ姉が縁日で迎えてきたからおそらく25歳前後である。そう考えると、三十年記録を続けるというのは、フランソアとの生活と同じくらいということとなる。三十年は長いけれど、生活にとけこみきって無意識に経っているような気もしてきた。

    2023年に帰省したときに撮影したフランソア

     

    そして、カメのマスコットを手にしたときに、思い出した本が「風をとおすレッスン/田中真知」で、図書館で取り寄せて週末に読み返した。田中さんは旅をするときに、「あひる」と「かっぱ」のぬいぐるみを持ち歩いている。持ち歩いているうちに彼らがどんなおしゃべりをするのか想像するようになり、トラブルが起きたときも自分一人では思いつかない彼らの言葉が浮かんできて、気持ちが軽くなったそうだ。

    あひるとかっぱがいっしょだと、彼らの目に映る、三人称の視点からの世界が見えてくる。私という一人称のときには見えてなかったのもが浮かびあがってくる。「これしかない」と思っていたのに、あひるの視点に立つと、ほかの選択肢があることに気づく。自分と世界とのあいだに「隙間」が生まれる。

    三十年商店のみなさんのマインドを借りて「あの人ならこうする」と考えると、今の悩みも違う見え方をするのだろうなあと思ったりする。しかし悩んでいるときは大抵視界が狭まってその発想を忘れてしまいがちなので、近くにいるぬいぐるみがさっさと迷いを蹴散らしてくれて、偶像として崇められるのかもしれない。

     

    余談のタネ:昨日の西山さんのツボは、ガイアの夜明けが米の革命的な生産方法を生み出した人を特集していて、そのひとが南青山に年末オープンするお店にもっていったときに登場したのでした。オープンしたら行ってみたいなあ。

    書き手

    ぐっさん

    ぐっさん

    東京都墨田区/33歳

    ©30YEARS ARCADE