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    のちの野良

    のちの野良
    ノチノノラ

    父と娘の夏休み(9日目)

    朝、散歩中のご近所さんに「草が生えてきたのぅ」と声をかけられ、草刈りから一日が始まった。

    地震による海底隆起のあと、漁港から掘り出された砂利が海沿いの空き地に積まれている。その砂利の上にも、当たり前のように力強く雑草が生えていた。

    欧米では家の前の街路樹の管理を、景観による利益を得ている住民が行うような話を聞いたことがあるけど、急に来られても困るのが現実。体はひとつしかない。やる義務はないかも知れないけど、やらない訳にはいかない。

    草刈りを終え、長女とドライブへ。行き先は雨晴海岸。途中、羽咋の神子原で「神喰羽糧(みはくろう)」を購入。

    車中の会話は途切れることなく続き、楽しい時間となった。

    雨晴海岸は晴れていたが、立山連峰は見えず。

    道の駅で学校の友だちへのお土産を買い、海岸で「グラサンズ」の記念撮影をした。

    続いて高岡の街を散策。

    高岡のトラムが可愛いことを、今まで誰も教えてくれなかった。

    太陽に焼かれながら古い町並みを歩くが、観光客は少ない。

    高岡御車山会館を見学。

    ものづくりのまち・高岡の誇りに触れた。

    移動中に見つけた『トレジャーランド高岡店』に立ち寄る。

    ペットボトル飲料や洗剤、カップラーメンなど日用品が景品のクレーンゲーム。

    時間を潰すために家族やカップルが訪れている。金儲けのための空気しか感じない。想像を遥かに越えた悪い施設だった。嫌いだった。

    ひと通り無駄遣いをした後で、気分を変えるために近くの温泉を探す。検索で気になったのは「神代温泉(こうじろおんせん)」。これが大正解。

    かつて民宿だったが、今は日帰り温泉のみ。お湯が出続けるため「お湯を守っている」という。

    館内は清潔感に乏しく、長女にはお化け屋敷のように映ったらしい。

    泉質は素晴らしい。透明な湯は鉄分を含み、空気に触れると茶色く変化。塩分も濃く、大満足の温泉体験だった。

    帰路は千里浜を経由し夕日を追う。

    夕食は羽咋のBAR「SHINE BAY」へ。

    お酒は頼めなかったが、石焼き麻婆豆腐が美味しかった。

    21時過ぎにTOGISO着。漁火や星空を眺めて過ごす。

    明日が娘とふたりで過ごす最終日。長いようで短かった日々が終わろうとしている。

    現実を見ないといけない。

    ひび割れた階段の踊り場の壁を見て再確認した。

    書き手

    ぴんぽいんと

    ぴんぽいんと

    東京都新宿区/45歳

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