小学生のころ、同級生の友だちときょうだいで、ばあちゃんのおうちの向かいのブロック塀を挟んで、穴を貫通させようと試みていた。

穴は小さいから、覗き込めるのはあっちとこっちで4〜5人程度だったから、私はそのブロック塀に背中をあずけ、両手をかけてピョンピョンしていた。

しばらく続けていて、みんなが立ち上がるまでそうしているものだと思っていた。
気づいたら、私は塀の向こう側に座っていて、みんなはまだ穴を掘っていた。

あれ?私なんでここに座ってるんだろう。
ピョンピョンしてる間に飛び越えちゃったんだろうか。

そう思って、同じようにピョンピョンしてみるけれど、飛び越えて上手に着地できるとは思えない。狐につままれたような、私ったら瞬間的に、異次元に迷い込んだのだろうか。違う自分と入れ替わってしまったのだろうか。しばらくはそんな妄想で怖かった。

そんなことを思い出した月曜の朝。
多分、恩田陸さんを読んでいるから。
昨日の夕食のオムライスの味付けをお願いされたのに、適当でいいんだよと断った後の母が不機嫌で、朝になっても気配を消して部屋にこもっていると、子どものころの感覚となんとなくつながるからかもしれない。
おなかはグーグーいっている。

風は相変わらず強いけれど、なんとか船も出ているし、昨日よりも湿めりは帯びていない。
夕方にまた一昨日のように、娘と探索に出てみようか。