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    BWS 2024

    素敵に祝ってもらった誕生日から一夜明け、土曜日の授業最終日。

    2004年から続くこの授業はここ数年、大学内をハッキングする、というテーマで実施している。学生たちは企画し、模型やスケッチで検討し、それを図面化し、かかるコストを計算し、自分たちで作り上げ、最後はそれを学内に設置して遊び、解体。こうした建築の一生を4ヶ月、14回の授業で駆け抜ける。
    配当年次は2年生前期なのでほとんど技術はない。だけど建築という学問に染まってもいないので非常に柔軟な発想をする。今年は4つのチームが作られ、それぞれ思い思いのものを作っていた。最終日のこのキャンパス内がハッキングされる状況は祝祭的でとても楽しい時間。去年からこの日だけ息子を連れてきている。

    いやー、今年も楽しかった!

    さて、今年はどんなのが出来たかというと、

    こちらは機能としてはベンチ。
    既存の建築物のその縮尺を変えたりすることで別の機能を与える試み。
    このベンチの元はホキ美術館で、30mもの壮大なキャンチレバーが印象的な建築である。
    スケールをおよそ1/10として3mのキャンチレバーが学内の池などに突き出すベンチとなる。持ち運びできる程度の重さなので設置条件さえ整えばどこでもこの飛び出すベンチが出現する。ただし、地面に固定はしないので突き出した部分と接地している部分の長さ、重さの比が1:2になるようにしなければならない。つまり先端に座りたい人数の倍の人数を用意しないと設置できないというコミュニケーションツールでもある。(残念ながら未完成)

    このオブジェはサボテン。
    我らが関東学院大学は横浜の関内に新キャンパスが出来たことで、大学案内などのパンフレットにはほとんどその新キャンパスの画像が使われる。そこに抵抗して、従来のキャンパスも魅力的なのだと大学広報に訴えたい!というところからスタート。このキャンパスの弱点としては学食が非常に古くボロボロであることからそこに新たなアイコンを追加することで魅力を高めたい、とのこと。学食のテラス部分に置かれたこのサボテンは家具的な拡張機能まで考えられているのだが、残念ながらそこまで完成には至らず。

    今年から大学にSHOPBOTが導入され、造形の自由度が飛躍的に高まった。それを利用して有機的な形状を作りたいということから始まったチーム。
    芝生広場に木のかまくらのような空間が立ち上がった。
    この施工の自由度の高さはとても魅力的で、これまで20年、ずっと手加工で作ってきたけど大きな転換点となる。最後の最後に布をかけてみたりしていたが、そういった拡張性も含めて面白い空間ができたかな。

    こちらは神輿。誰かが「大学にいると体がなまる」と言い、また誰かが「大学内は広くて移動がだるい」と言い、さらには「大学にずっといると出会いがない」と言う。チームに茶道部がいたことをきっかけに「マッチング茶室」を作ってそれを担いで練り歩いてしまおう、ということに。マッチング+茶室+神輿である。けっきょく男子たちが「わっしょい!わっしょい!」言って担いでるからマッチング要素はどこへやら。
    でもこれが一番盛り上がったな。

    書き手

    田畠隆志

    田畠隆志

    神奈川県横浜市/47歳

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