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    ピーエス

    女子は移り気

    長らく頭の片隅に居座り続けた頭痛の種がようやく片付く。

    スッキリした気持ちでボーイのお迎えに。いつもの時間だと1人で帰るか、Aくんがタイミング同じだと一緒に帰るのだが、今日はギリギリの時間。その時間帯は仲良しのTちゃんNちゃんあたりのお迎えが来る時間。案の定、園の出入り口に向かう途中にすれ違う。しかしボーイは今日はコンビニに寄りたいから先に帰ると言う。コンビニに寄ると、迂回するルートになるので園の前の道路を挟んだ位置を再度通過するのだが、そのタイミングでTちゃんNちゃんが出てくるのが見えて「ここで(道路をわたってくるのを)待つ」というボーイ。ボーイはコンビニに寄るかどうかによらず、迂回路が好きでいつも2人を誘うのだがたいてい断られる。今回はちょうどよく先に出て迂回してきたらタイミングが合った格好だ。だがしかし、まさかの「今日はあっちから行くからばいばーい」と迂回路の方へ。しょんぼりしながら帰宅すると妻がいない。「ママに会いたい~」などと言って悲しむボーイ。いつもは母ちゃんなのになんでそこはママなんだよ、などとツッコみつつLINEしてみると美容室だという。しかもまだ掛かるというので夕飯を請け負うことに。

    材料も全てある、というので見てみるとチャプチェの素と肉などがある。作っていたらさらにLINEで「カリフラワーが残ってるからなんとか出来ない?」と。冷蔵庫を見るとたしかにカリフラワーがあり、1個だけ残っている卵もあったのでこのレシピ。(こっちのレシピにも惹かれたんだけど所要時間40分という記載を見て断念。)
    まったく統一感のない食卓であったが、まあそれが日常というものだろう。

    タイトルはこの一連の出来事を妻に話したら彼女が言ったもの。

    ノルウェイの森の緑のことを思い出したので貼っておこう。

    「たとえば今私があなたに向って苺のショート・ケーキが食べたいって言うわね、するとあなたは何もかも放りだして走ってそれを買いに行くのよ。そしてはあはあ言いながら帰ってきて、『はいミドリ、苺のショート・ケーキだよ』ってさしだすでしょ、すると私は『ふん、こんなのもう食べたくなくなっちゃったわよ』って言ってそれを窓からぽいと放り投げるの。私が求めているのはそういうものなの」
    (中略)
    私は相手の男の人にこう言ってほしいのよ。『わかったよ、ミドリ。僕が悪かった。君が苺のショート・ケーキを食べたくなくなることくらい推察するべきだった。僕はロバのウンコみたいに馬鹿で無神経だった。おわびにもう一度何かべつのものを買いに行ってきてあげよう。何がいい?チョコレート・ムース、それともチーズ・ケーキ?』」

    「するとどうなる?」

    「私、そうしてもらったぶんきちんと相手を愛するの」

    「ノルウェイの森」村上春樹 1987

    書き手

    田畠隆志

    田畠隆志

    神奈川県横浜市/47歳

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