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    ピーエス

    ≦不等号の向き≧

    何日か前に適当にチャンネル合わせたらイエモンのライブをやっていて、昔よく聞いたなーなどと思いつつApple music見たら今年発売のニューアルバムが出ていたので聴き始めた。その中にある『ホテルニュートリノ』で

    人生の7割は予告編で

    残りの命 数えた時に本編が始まる

    というのがとても刺さった。

    これには布石があって、我々の仕事は建築を扱っていて、しかも私の事務所ではその9割方が新築である。建築物の法律上の再現期間は基本的に50年なので25歳でこの仕事を始めたときに設計したものがその50年を迎えるとき、私は75歳でまだ生きていて、その建物について、詳細は忘却の彼方であったとしても補修や修繕の相談に乗れる可能性は高い。しかしいま設計しているものに関しては50年後には97歳であり、生きていたとしても正常な認知能力を持っているかどうか非常に怪しい。そういう意味で不等号の向きが完全に変わったのを感じていたところ、である。

    しかしこれはネガティブな意味合いは含んでおらず、その「本編」に対する期待とある種の身軽さを感じてもいる。小中高と9年間バレーボールをやっていて、その極意というか真髄というかある種の到達点として垣間見たものは「手を抜くのではなく力を抜くことが出来たら一流」ということだった。まだまだ職業人としても、ただ人としてもそのような境地に程遠いところにいるが、ほんの少しだけその入口が見えたような気がする。(と、書いているだけでも「なんとおこがましい!」という気持ちが内部から湧き上がるけれども)

    好きな曲を、歌を聞いているだけでも時々そういう解像度を上げるような一節に出会うことがある。ついでにそういうのをもう一つ。

    Museの”Knights of Cydonia”より

    No one’s gonna take me alive

    Time has come to make things right

    You and I must fight for our rights

    You and I must fight to survive

    書き手

    田畠隆志

    田畠隆志

    神奈川県横浜市/47歳

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