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    ピーエス

    大学・寺・空港の週末

    土曜、朝からいつものスイミングスクール。

    終了後、帰宅して一息ついたら大学へ。この日は卒業設計審査会にお呼ばれ。そういう審査会は大学ごとにいろんな形があるが、私が非常勤を務める関東学院大学ではデザイン系科目を担当する非常勤教員全員に声がけしている。今年は16名の非常勤教員が参加。これに常勤7名がいるので23名での審査。審査後は23名の投票により、金銀銅賞を決める。

    全13作品それぞれプレゼンを聞き、皆で模型を囲み、あーだこーだと質疑と応答をしながら約6時間。教員23名のうち、エンジニアは私1人なのでそのポジションも考慮しつつ、いくつかコメントさせていただく。エンジニアとしてはどうしても発見的であったり発明的なアイディアやプロセスに惹かれがちだが、建築家の皆さんはその設計や造形が生み出される過程における葛藤や自問自答のプロセス、苦しみみたいなものに共感することが多いように見える。かくして今年も非常に私的な、私小説のような設計が圧倒的得票数により金・銀となる。総評で学生たちにも伝えたことだが、そういう場に呼ばれるエンジニアである限りは影響が小さくとも、今回の金・銀に1票も入れていないエンジニア視点を発信し続ける。実際に建築に携わるとなったときには必ずエンジニアも含め多様な職種と渡り合わねばならないのだから。

    脳みそショボショボで帰宅。妻とボーイは実家に帰省なので適当に買ってきたご飯を食べて気絶するように就寝。

    日曜、実家の初参りに同行。毎年の恒例行事。妻の希望でそのまま車で羽田空港へ。彼女は空港で飛行機を眺めてボーっとするのが好きなのである。ひとしきり飛行機を眺めた後、空港のショップであれこれ好きなものを買っている妻を横目にボーイもあれこれ欲しそうに見ている。そしてついに買ってほしいと言ったものがこれで、空港でなくても良いし、そもそも欲しかったわけでもないのにちょっと高くね?となる。そこで思い当たったのがこの「高くね?」という感覚が共有できてないよね、ということ。そこで財布にあった500円玉を取り出し「これをあげる。好きなものを買って良い。」と伝えると最近数字をかなり認識しているので値札を見ながら右往左往して、結果、欲しいものも買えるものもない、となり半泣き。じゃあその500円はいま無理に使わなくても良いから取っておく?と言ったらそうする、と。かくして彼のリュックに500円が格納されることになった。

    今度財布を買っておこうかな。がま口が良いかな。

    書き手

    田畠隆志

    田畠隆志

    神奈川県横浜市/47歳

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