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    個人的祝日

    水曜、仕事はお休みさせていただいて妻と出かける。まあそのためにはいつもどおりに朝ボーイを登園させる必要があるのだが。

    毎年、入籍した日と結婚式をした日の療法を記念日として、その近辺で仕事を休んで2人で出かける。だいたい、ランチを主軸にその前後、美術館行ったり映画見たりしてあっという間に夕方というパターン。この日は朝、ボーイを保育園に送り届けた後、ゆっくり準備してリニューアルした横浜美術館へ。

    言わずとしれた丹下健三の設計によるこの美術館には入ってすぐ、ど真ん中の大きなスペース(グランドギャラリー)に天窓から光が入るという設計だったが、ほとんど使われないままに故障し、ずっと閉じたままだった。それが改修され、ものすごく明るくなった。もうまるで別の建築である。「おかえり、ヨコハマ」と銘打った今回の展示はとてもボリュームが有り、見どころたくさんであったが個人的にはこの明るいグランドギャラリーが見られただけでも満足。そこに乾久美子によるサインや什器の刷新が相まって、軽やかな印象が付加されている。

    満たされた気持ちで1駅移動して北仲のSMAAKへ。このレストランの入る北仲ノットの46階は実はかなりトリッキーな公開空地となっているらしく、出入りは自由なのだが認知度はかなり低い。(公開空地というのは公衆が自由に出入りできる空地を設計上設定することでその建物の高さや容積の緩和を受けることのできる制度。多くの場合、地面レベルで小さな公園のようになっていて、公開空地である旨の看板などが立っている)数年前にそれを知って行ってみたときにちょうどSMAAKは工事中だった。

    残念ながら天気は悪く、46階からの眺めはいまいちであったが、年に数度、Jacob氏がこの店舗に来て開発するというメニューを堪能。

    ランチのあと、ワールドポーターズへ行き「名もなき者」を観る。2時間ちょっとあったけど90分くらいの軽やかさだった。内容はまったく軽やかではないが。ボブ・ディラン、普段はあんまり聴かないけどやっぱ良いよね、となりつつ伊坂幸太郎の「アヒルと鴨のコインロッカー」で椎名の歌う”Blowin’ in the Wind”に思いを馳せる。

    映画が終わったところで17時を過ぎており、近隣で適当にお惣菜をぱぱっと買って帰宅。保育園にボーイのお迎えに。「あれ?とーちゃんなんで今日その靴なの?」と目ざとい。これで、良い一日だったなーと感慨にふけりつつ夜が更ける…ことはない。ボーイはピアノの練習でつまづき、さんざん泣いたり喚いたりして、私も妻も膝つき合わせて叱咤激励説教などなど繰り広げて疲労困憊でおやすみなさい。

    書き手

    田畠隆志

    田畠隆志

    神奈川県横浜市/47歳

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