お便りフォーム

    お名前(ニックネーム)*

    Eメール*

    宛先*

    メッセージ*

    P.S.

    P.S.
    ピーエス

    ポンピドゥーの思い出

    水曜、ボーイの登校に付き添ってそのまま大学へ。

    鉄筋コンクリート、鉄骨、木のそれぞれの歴史や材料特性の話(1)とそれらの材料によって作られた構造物の紹介と解説(2)という(1)と(2)をセットで講義を進めている。先週は鉄骨の歴史をやったので今日は鉄骨による構造物の紹介と解説。毎年、スライドを足したり引いたりしながらやっているが、今年新たにポンピドゥー・センターを追加してみた。ピアノ、ロジャース、フランキーニによる傑作であり、我々の世界では神のような存在であるピーター・ライスの仕事でもある。

    写真は妻と2014年の大晦日にポンピドゥーを訪れたときのもの。ちょうどFrank GehryによるFondation Luis Vuittonがオープンしたばかりでゲーリー展がやっていて、同時に開催されていたジェフ・クーンズ展も見た。それらの展示ももちろん素晴らしかったが、私はポンピドゥー・センターの建物そのものをこの目で見られたことに感動しきりだった。中でもエスカレーターの吊り下げディテールとガーブレットを見れたのが嬉しかった。パリでは大晦日の夕方から地下鉄は無料になるし、ポンピドゥーも同じ時間帯から入場フリーとなっていて、我々が出ようとする時間とそれが重なって一気に人が増えた記憶がある。ポンピドゥーに向かってワクワクしながら歩いていたところ、通りすがりの雑貨屋に妻が吸い込まれ、そこで見つけたお皿に一目惚れして4枚セットで購入したものだから重くて仕方なかったけど、ポンピドゥーの各所を見ていたときの記憶を思い出すとき、不思議とその重さは伴っていない。このお皿はいまでも我が家で愛用されている。

    建物の外観から、当時のパリ市民たちにはなかなかその価値を受け入れてもらえなかったようだが、構造のシステムはもうエレガントとしか言いようのない、非常に美しい合理性を実現している。

    やっぱり授業って推し活だな。笑

    書き手

    田畠隆志

    田畠隆志

    神奈川県横浜市/47歳

    Instagram

    ©30YEARS ARCADE