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    島縞

    島縞
    シマシマ

    夜の空模様と娘の想像力

    先程から雨音が聞こえる。
    母の話ではシトシト予報だったけれどザアザアと。
    祥月命日の月である今朝は久しぶりにお墓参りして磨いてきたから、この雨でさらにさっぱりとなる。
    持参した水はちょっと足りなくて、それを見越して降らせてくれたらしい。

    掃除が終わる頃にはお昼も回っていて、手伝ってくれた母にお礼も兼ねてジョイフルへ。五島にもあるんだ、ファミレス。そして、ランチを食べられるおしゃれなお店はもっとたくさんある。ただ、子どもの気分で食べないものもあったりして、安定のジョイフルとなってしまう。
    今日は半袖でもいいくらいの暑さだったから、ドリンクバーの冷たいのが喉をうるおした。

    買い物しておうちに戻ったのは15時回っていて、汗もかいたので早めのお風呂となった。さっぱりしたいっていうのもあったけれど、娘の本音はポケモンのバスボールでミューを出したかったんだよね。結果はかぶりのピチューだった。

    風呂上がりは、昨日に引き続きベランダでシャボン玉を飛ばして遊んだ。ひとりでも夢中で遊べるものがあると、その間にご飯の支度がはかどっていい。
    ちなみに昨日は、シャボン玉の前に水鉄砲で地面に絵を書いたり、手形を押したり。あまり手が汚れることはしたがらないのだけれど、こうやって夢中で遊ぶ姿は子どもらしくていいなって思う。まだ9歳だもの。こんな姿はまだまだ見せてほしい。

    充分に遊んで、さて終わろうかという頃に、「助けて!早く!早く来て!!!」って言う大きな声が聞こえた。
    慌ててベランダにむかうと、「百足みたいなのが!いる!早く!部屋に入らせて!」気が動転している娘。入るなり泣き出して、どこにいるのか聞いても話が全く通じない。ふと手前の壁を見上げたら、いたよ。
    くの字の足がいっぱいついた、10センチ超の大きい体のやつが。百足ではなかった。野菜についてる虫はなんともないんだけれど多足類はだめで。娘に大丈夫だよ〜と声をかけながら外にあるものを素早く部屋に入れて急いで窓を締めた。久しぶりのゾワゾワ、暖かくなって虫も出てくるから。部屋の中に出てこなければいいのだけれども、団地の階段とかでばったり遭遇したりすると、やっぱりヒィッ!ってなるよね。

    鼻水垂らして泣いてたのに、母が洗濯物を干している(いつも部屋干し)間に先程の状況を描いていたらしい。ニコニコして、「さっきのを絵に描いてみた!思い出したら気持ち悪いけど、絵を描いてみたら自分の中で思い出すのが描いた絵になって、怖くなくなったわ!」だって。

    窓をつたう時、腹側が見えたら怖いから、って急いでカーテンを閉めさせたのに。窓から離れたところでテレビを見ていたのに。やっぱ強いわ。

    母だけがあの残像に怯える夜。雨はただいま止んでいるが、どうやら明け方まで続くらしい。

    書き手

    ひらのあすみ

    ひらのあすみ

    長崎県五島市/43歳

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