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    島縞

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    20冊目の本と、やせ我慢

    昨晩遅くから始めた作業は勢いづいて、気がつけばひと月ぶりに日が昇るのを拝めるのでは、という位の時間になっていた。
    実は、子どもの頃から止め時が分からない。やってしまわないと気がすまなくなる。
    本を読み始めれば、この章までと必要のないノルマを課したり、読了しないと寝られなかった。
    ノートをまとめ始めれば、教科書のこのページまで丁寧に仕上げないと、お風呂にだって入りたくなかった。なにか作り始めた時だってそうだ。
    今も娘から呼ばれ、「ちょっとここまで…」って言ってる間に機会を失する。そんなことがままある。
    中途半端が気持ち悪いのかもしれないけれど、どうしてそうなのかは分からない。

    朝はなんとか8時過ぎに起きれたので、月に2度しかない古紙回収に間に合ってよかった。

    そういえば、本はたくさん持っていても古紙回収は雑誌や週刊誌くらいしか出したことがないかもしれない。さきほど、メルカリで20冊目の本が売れた。直近の出品はほぼ売れてしまい、その勢いのまま過去に出した本も売れて安堵している。
    メルカリのサービスは、購入利用ばかりで出品はハードルが高かったのだが、梱包のサイズ感も把握しやすく送りやすい本が一番簡単と教わり、満を持して始めたのは去年のこと。
    わが家でホコリをかぶり読まれる日を待ちわびるより、今欲っしている人のもとに渡ったほうが、本も本望だろう。

    スキマ時間、横目に誘惑を繰り返すONEPIECEには勝てずに読んだ。
    最後のシーン、麦わらの一味と一緒に私も泣いた。死ぬのをこらえて必死に生きるしかなかった人間が、心の支えにしていたものにだけ見せた強がりのほころび。
    尾田先生の泣き落としには毎度やられてしまうんだ。

    夕方、娘が久しぶりに卓球しようとテーブルをセッティングし始めた。

    スーパーのお菓子コーナーにある玩具のセット。1年生の頃、かごに入れようとするのに値段を聞き、(スーパーで買うには)高いな!と思ったものの今では大満足のひとつ。
    ちょうどよい遊び場所がこたつテーブルしかないから、娘は立つけれど母は膝を折って対戦する。集中しだすとあっという間に時間は経つし、力を加減しないとテーブルの外に飛んでしまうから、体を動かす機会がない娘には丁度いい。

    ところで今日は、部屋の中が寒かった。いや、昨日の晩から寒かった。それなのに、ひざ掛け2枚をひとつは肩から、ひとつは膝にかけて耐えていた。
    クローゼットには着る毛布。寒いなら着ればいい。ただ面倒だった。出すのがではない。着たらまた洗わねばならないことが、だ。せっかく洗って仕舞ったのに、またかとその手間を考えて我慢していた。手間といっても、天気を気にして洗濯機が洗ってくれたものを干すだけなのに。

    着てみたらやっぱり温かくて、やせ我慢せず日中から羽織ればよかった。
    いや、昨日の晩から羽織ればよかったんだ。

    書き手

    ひらのあすみ

    ひらのあすみ

    長崎県五島市/43歳

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