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    島縞

    島縞
    シマシマ

    気持ちは本に向かう

    近頃、読書熱再来。

    再来、とは言ったものの一番読んでいたのは10代の頃。小さな学校の狭い図書室の本をあちらからこちらまで読み漁るような子どもだった。
    以前は、図書カードが本と個人と両方あって、借りるたびに自分のカードには本の題名を、本のカードには自分の名前を書いていた。「耳をすませば」みたいなロマンスはなかったけれど。書くのが面倒に感じていたけれど、図書カードの枚数が増えて分厚くなっていくのは、読み重ねた本の数を感じられて嬉しかった。今はピッピッで終わるから少し味気ない。

    今日読んだのは、連休中に借りた「アルケミスト」。
    大人になると、お仕事に関わることだったり、新書などの実用書ばかりを読むことが多かったし、どちらかと言えば日本の女性のやわらかい文章を読みたくて宮下奈都さんだったり、小川糸さんだったり、高田都さんだったりの書く物語やエッセイを読むことが多かった。
    さらにネットの文章を読むことに慣れてしまって、読み飛ばすことも多くなって、小説などは把握しつつ覚えつつ進めていくための頭の筋肉というか、読み筋みたいなものが弱っている気がしている。さっき読んだ一文が思い出せなかったりして、それが悲しくて私は読書が好きです、というのも小声になる感じ。

    久しぶりの翻訳小説、読めるかなと不安もあって、最初は恐る恐るスローペースで読み進めた。読み始めれば少しずつ物語の波と戯れ始め、しばらく経てばどっぶりと浸かっていた。よい本は何歳になっても読めるものなのだなと思った。
    この本は、私が書くことを仕事にしたいとおぼろげに思い、もっと自分自身を知る必要があると感じていたのに気づいた方からお勧めしてもらった。もしかしたら10代の頃に読んだかもしれないけれど、新しい気持ちで読んでいる。
    出てくることばのひとつひとつが、私の心に石を投げて波紋をおこす。読み進めたい反面、この状況にどっぷり浸かりたくて同じところを何度も読みなぞったり。昔は次から次に新しい物語を私の中に綴じたくて、どんどん読み進めていたけれど、こんな風に読めるようになったのも年齢なのかどうなのか。

    さて、たくさん読んだものの10代の頃のこの一冊!みたいなものは何だっただろう。色々あったと思うけれども、あんまり思い出せないのが悲しい。パッと出てきたのは、高校の頃に読んだ司馬遼太郎さんの「燃えよ剣」。それまで歴史が大嫌いで、毛嫌いしていた歴史小説だったが、なんとはなしに手に取ったそれで、土方さんの生き方にべらぼうに惚れてしまった。そこから新選組や幕末もの、それこそ司馬遼太郎さんの本をあれこれと読んだ。
    そうだ、中学時代だったのか、高校時代だったのか、覚えていないが銀色夏生さんは借りるだけでなく購入して何度も読んでいた。

    皆さんが10代の頃読んだ心に残る一冊、ぱっと思い浮かびますか?

    クロウタドリさんの数独の由来に、へぇ!となりました。かく言う私も数独は好きで、好きすぎて時間を溶かしちゃうものだから自らに禁止令を出しているくらいなんだけれども、なんで数独と言うのか考えもしなかったから、ためになりました!

    書き手

    ひらのあすみ

    ひらのあすみ

    長崎県五島市/43歳

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