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    島縞

    島縞
    シマシマ

    今年の小さな目標

    夜の内に、トタン屋根をタタタタと打ち付けていた雨は、明け方にはザザァーーーともダダァーーーともつきかねぬ、ズアーーーみたいなものすごい勢いになっていた。1日中降り続けると思われたが、気がつけば雨音も気にならなくなっていた。

    実家2日目。ゆっくり起きて、のんびり過ごす。

    島のより田舎の方にある実家は、外に出ると鳥の声と風の音、風の強い日は海のゴゴゴという波音が響くだけの静かなところ。

    朝から近所の半野良のきょうだい猫がやってきた。母は、このきょうだいにミケ(女の子)とあいぼう(男の子)と名付け、カリカリと猫用花かつおを準備している。それを承知でいつもやってくるというわけだ。
    以前、磁器の皿に入れていたらカラスに皿ごとくちばしでかかえられて割られたとのこと。今は木の器に入れて、きょうだいが食べる間そばについている。このきょうだいは昼と夜にもやってきてご飯をせがむ。

    夕方には晴れ間も見えたので、子どもたちと母と散歩に出かけた。

    途中におとなりさんの畑があって、そこにある梅の木にはたくさんの実がついており、いい感じで熟していた。

    去年が裏年だった梅、今年は豊作の予感。昨日、別のところからもらった青梅で梅干しと、私希望の梅シロップを母が漬けてくれた。

    このおとなりさんの畑、妹は「いただき畑」だか「ちょうだい畑」と呼んでいる。その理由は、了解をいただいたうえで、そこに複数なる実を母が孫(主に甥っ子)とよく頂戴しているからだそうだ。

    桑の実とびわがなっており、今回ももちろんちょうだいしてその場で食べる。小学生の頃は、蚕さんがまだ盛んで、登下校の道の両脇にはその葉が蚕さん食料となる桑畑があり、子どもたちは口を真っ黒にしてその実を食べていた。懐かしい味のひとつ。

    帰りは、あちこちに生えているよもぎのできるだけ若い部分を摘んで帰った。子どもの頃、怪我したらよもぎをすって傷口に当てたりしていたけれど調理したことはなかった。
    実はずっとやってみたいと思っていて、今回やってみようと決心。

    両手で持てる程度のよもぎを持ち帰り、きれいに洗い流して、塩を入れて茹でアクを抜く。水気を切ったら袋に入れて冷蔵庫へ。明日はこれを細かくしてお団子にする予定。残りは冷凍してレシピを調べて試してみたい。

    色々と理由をつけてやってこなかったことに挑戦してみよう、と今年は何となく思っている。

    書き手

    ひらのあすみ

    ひらのあすみ

    長崎県五島市/43歳

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