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    島縞

    島縞
    シマシマ

    夏が始まるよ

    梅雨明け宣言を聞き、週末ということもあって三世代で海に出かけた。

    暑いのは嫌だけど、青い空と海を見るとどうにもテンションがあがってしまう。

    夏の実家は、近くの海に泳ぎに行くのがお決まり。
    私たちが子どもの頃、祖父母が農家で畑をしていて、海のそばの畑の時には、いつもこの海に連れてきてもらってた。

    ゴツゴツの岩場を進み、岩で囲まれた自然のプールで泳ぐ。魚やカニや、小エビもいたりして、網ですくうのも楽しい。

    第一世代と第二世代は、海にはつからず見守り役。傘を持っていって手に持つのにも疲れたから、漂着物のロープや竹を使ってパラソルみたいに立ててみた。
    海辺のパラソルって、こんなにもありがたいものなのか。

    一時間ほど経って、娘が帰りたいと言う。
    持ってきたとうもろこしを食べよう、と気持ちを切り替えさせてみる。
    その後、持ち直してまた海につかって、驚きの泳法を披露してくれた。
    ちゃんとした水泳の授業は、小1の頃受けたっきりだから、泳ぎ方もよく知らない娘。基本浮き輪を使って浮かんでいる。
    バタ足では前に進めないから、とバタフライみたいに浮き輪を使ってくねんくねんと器用に前に進みだした。

    バタフライを知らなくても、こうしたら前に進むかも、で泳ぎ方を想像できるのすごい。そう思ったけれど、その姿はちょっと滑稽で「エビ泳ぎ!」と言いながら前に進もうとする娘が可笑しくて、可愛くて。一生懸命くねんくねんする度に笑ってしまった。

    その後は、ハゼに夢中になっちゃって、小さな水たまりにいるハゼたちに手をそっと近づける。
    黙っていると、ハゼたちは興味津々といった体で子どもたちの手に近づいてきて、ツンツンと噛みつく。
    それがこそばゆくて楽しくて仕方ないらしい。

    最初は、「魚怖い!」と言っていた娘も、甥っ子と一緒に長い時間手を浸して、三回も食べられたと喜んでいた。
    「ハゼ、かわいい!飼いたいな」と、数日前のヤモリしかり、言い始めた。とにかくなんでもいいから生き物と暮らしたい、わけではないのだろうけれど。

    結局、最初の帰りたいから二時間も海につかった二人の手は、真っ白でヨボヨボシワシワの手になっていて、また笑った。

    夜、第一世代は腰が痛いと早々に就寝。第二世代はオンラインで雑談を楽しみ、これをしたためている。

    そして、第三世代はと言えば、その横でしりとりをして元気にはしゃいでいて、都度私からシー!っと叱られる。
    そんな風に書いている間に、スースーと寝息が聞こえてきたので、私もそろそろ眠りにつこう。

     

    田畠さんも、子どもの口から出る「地獄」にびっくりされたおひとりでしたか。

    言葉によって、子どもが初めて使ったタイミングを覚えていられないけれど、単語のイメージと使う子の年齢のギャップによる衝撃で、記憶に残っているのかもしれない、と「地獄」から色々と想像を巡らせた。

    書き手

    ひらのあすみ

    ひらのあすみ

    長崎県五島市/43歳

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