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    島縞

    島縞
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    2泊長崎旅行回想記

    10月17日(金)晴天

    長崎へまた行ってました!

    初めて映画館の4DXを体験した。一生体験することはないと思っていたのに、だ。
    妹親子が体験したのを聞いた娘が、「私もそれで観たい!」と言い出した。正気か?!音にも敏感でビビリの娘よ。

    そんなわけで、長崎への旅行の定番となったふくの湯で整えたあと、体験した。今月始まったばかりのチェンソーマンで…。

    風のそよぐシーンでは風がそよぎ、雨が降ればピチッとかかったり霧みたいなものが噴射され、雷がなれば振動とともに後方からも稲光に照らされた。こ、これが4DXの世界。

    娘は横で耳をふさぎ、母は手すりを握りしめる。

    序盤、ジュースを半分ほど飲んでいてよかった。そうでなければ、そこらにジュースを撒き散らしていたのではなかろうかと言うくらいに、後半の行き着く暇もない戦闘シーンでは、目も開けてられないくらいに揺らされ、風に吹かれ、霧に包まれた。途中から、娘も椅子からずり落ちないよう、必死に手すりを握りしめ、私はその腕を握って耐えた。

    いや、すごいな映画。そんな世界があったなんて。人生で一度くらい、そういう経験もしてみるもんだ。とかいいながら、明日は本番の鬼滅の刃4DX。え、鬼滅の刃観たって書いたよね、はいそうです。2度目です。

    そして、長崎駅のアミュ25周年らしくてなんかめちゃくちゃ可愛い刺繍?らしきイラストが。可愛すぎて、もっと可愛いわが娘に懇願し、その前で撮影をすることに成功した。

    この日の娘のコーディネートは全身がその日に調達したもので構成された。ヘアピンに服、靴下、そして靴。もうお姉さん。「私、こんなふうにお姉さんっぽい格好したかったんだ!初めて自分のこと可愛いって思えて自信が持てた」と。どんなにこちらが可愛いって思っていても、本人は自分のこと認められないとか、年齢関係なくあるものなのだな。目が合う度、可愛いを連発する母は、しまいには「きも。」の捨て台詞をいただいたわけだが、そんなの痛くも痒くもない。

     

    10月18日(土)晴天からの雨天からの晴天

    いよいよ鬼滅の刃4DX。結論からいうと全ての泣かしにかかるシーンで泣いた。いや、泣かしにかかっていないかもしれないシーンでも泣いた。冒頭、悲鳴嶼さんが雪の中を歩くシーン。雪が、降ってきた!そんな状況での、お館様との回想シーン。開始5分経ってないんじゃないか?泣いた。登場人物ひとりひとり、感情が動いた場面で、共に涙を流した。1度目はほとんど涙を流さなかったのに、だ。結果、何度だろうといいものは何度観てもいい。

    初回は久しぶりの映画館だった。緊張もあったろう。娘がちゃんと最後まで観れるか心配もあって、完全に物語へと没入できていなかったのかもしれない。今回は4DXというアトラクションの力も借りて、どっぷり物語へと浸かることができた。

    商店の皆さんも多くご覧になっている『国宝』は、ほぼ諦めているけれど、いつか娘が興味なくても私が興味ある映画をひとりで観に行ける日もきっと来るだろう。それまでは、一緒に楽しめるものを心の底からともに楽しみたい。

     

    映画が終わり、AfternoonTeaで娘と初めてのランチ。独身時代は何度か味わったことがあって、お店にいる私に浸れる場所、おしゃれな人が通っている、私なんかはひとりだと気後れしてしてまう、そんなイメージを持つお店のひとつ。パスタ=トマトソースの娘と、パスタ・季節のおすすめの紅茶・パフェをひとつずつ頼んでシェア。娘がうんと小さかった頃は、コスパ重視で少しでも安く済むように予定を組んでいた。そんな頃からすると、ランチでだいたいひとり分のメニューを注文して3,000円を超すなんて信じられない…。それでも、旅行中っておなかもなんとなく張ってあまり食事できないから、娘と美味しいをシェアできたのはとても嬉しかった。

    コスパよりも、経験。年齢なのか、価値観なのか、重視したいものは徐々に変わっていく。

    とはいえ、まだ紅茶の渋みも苦さもよく分かっていない娘は、パフェで使われるクリームに拒絶反応。それでも、パスタのトマトソースとモッツァレラチーズに感動し、紅茶に浮かぶマスカットを味わったり、パフェの上にあるいちごアイスや下の方の甘い甘いゼリーを堪能していた。大きくなったな(しみじみ)。
    こんな感じで、まだまだ先だと思っている、今は理解できないものを『共有できるとき』がひとつずつ増えていく瞬間を、こうして日記に切り取れるありがたさよ。

    お店の窓には、なかなか弱まることのない雨粒が水たまりに波紋をいくつも描くのと、明るくなったり暗くなったりを繰り返す雲がいつまでもいつまでも広がっていた。

     

    そんな中、意を決して4人(娘と妹親子)でペンギン水族館へ。雨が降っていれば、5分以上歩くバス停から建物までの道のりは最悪なものになる。いや、その前にあるべき場所にあるはずのバス停とバスを見つけられなくてかなり焦る。雨も降り続け、もしかしたらバス停を探している間が一番強まったのじゃないかってくらい降っていて、もう行かなくてもいいんじゃないか。大人の頭にはそんな諦めが波のように引いては寄せる。でも、子どもたちは楽しみにしていたわけで。到着したバスターミナルからは、目的地へと出発するバスは出ないと聞かされ、諦めそうになりながらも、始発出発時刻が2分後に迫った状況。なんとか間に合いそうな次のバス停を教えていただき、4人で雨の中走った。駅前だから横断歩道がなく、歩道橋を上って降りてを繰り返す。これに連動するように心も揺さぶられる。目的地を指したバスよ、まだ来るなよ。後方を何度も振り返りつつ、みんながついてくるのを確認しつつ先頭を小走りした。そうして、なんとかバス停に到着。1分も経たないうちに目的地が書かれたバスがやってきた。この短い時間でも迷わず行こうと決めて前に進んで本当によかった。

    目的地へとバスが運んでくれた時、雨は止んでいた。
    行って本当に良かった。到着とともに、魚たちへの餌やり、その後全部を回りきった頃にペンギンたちへの餌やりを見ることができたのだから。毒魚が近くの海で見つかったことから、浜でのペンギンたちとの触れ合い体験はできなかったけれど、みんな笑顔だった。バス停から建物までの道は、ビオトープとして、綿やら黒米やら、睡蓮やらが育てられ、たくさんの木が生い茂る小道。雨に誘われたサワガニたちがあちらこちら散歩していたり、木登りしていたり。最悪どころか、子どもたちが大興奮して、水族館までなかなかたどり着かない状況だった。

    楽しみすぎて、ペンギン水族館での写真を1枚も取っていないことに、今見返して気がついた!

     

    10月19日(日)曇天からの晴天からの雨天、そしてわずかに星空

    旅の最終日は、ゆっくりお買い物。
    私のものは見る余裕がなかったので、この日は最初に靴を探したいと娘とお店を巡る。そして、これもまたお年頃の女子で、母にはこういうものが似合う、といろいろ持ってきてくれるのでそれを試着。最終的にふたつの中から決定した。日曜で全店の衣料品が1割引で購入できたのもまた嬉しい。その時まで履いていた靴は、裏もひび割れインソールも潰れていたので、その場でさようならさせていただき、購入した靴を履いた。本当は服も探したかったけれど、もう充分だった。

     

    そしてまた駅ビルへと散歩がてら歩く。風は涼しいけれど陽の光が温かい。

    結局この日も、娘が見たいものを一緒に見て回る。娘がすぐ疲れちゃうからベンチ休憩多めにね笑。そうしてお昼になると、また昨日のトマトソースパスタが食べたい、と。旅行したときくらいしか外食もそうしないから、こんなときくらい一緒に経験したいものだから、財布の紐も緩んで2日連続のAfternoonTeaランチ。今日は、それぞれに好きなものを食べようと話して、娘はトマトソースパスタ、私は鴨・栗とバルサミコのガレット。「美味しいね!今度から、長崎でのランチはここがいい!」とのこと。定番がひとつ増えた。

    食後は雑貨の方を見て回り、母へのお土産に簡易保冷機能付きバック、自分たちのためにおそろいの星空グラスカップを購入。今年の夏、室内なんちゃって天体観測をしてから、ふたりは天体に興味が向きつつある。簡易でもいいから、天体望遠鏡を手に入れようか。本気で検討中だ。

    お気づきの方もいると思うが、3日間娘は同じ服で通した。ホテル備え付けのシュッシュを吹きかけて。気に入ったらそればっかりのこだわり強め女子なのだ。

     

    今日は風が少し出ており、途中奈良尾港には寄らずに直行で福江を目指す。5月に続く欠航にならず良かった。あのときは福岡への飛行機だったけれど。
    ところで、この途中によるべき港には寄らないことを『抜港(ばっこう)』と言う。こういう天候に左右される乗り物がライフラインな島だからこそ聞く、使う言葉でもあるんだろうなと思ったら、そういう類の言葉の存在がとても面白く感じた。

     

    3日分につき、長文失礼いたしました。

    前回の日記から遡り、みなさんの日記も読ませていただきました。先週のリアル会から、それぞれの日記での交流が頻繁なのが楽しそうで。それぞれの心の揺れに、自身の心を寄せてみたり。子どもたちの回復に喜んだり、運動会の姿に勝手にじんとして、わが子の運動会を思い返してみたり。あとはあとは、やっぱり盛り沢山で、またゆっくりと2度3度と読ませていただきたい。

    これをアップしたあと、耳さんの偏頭痛の様子に光の刺激が凶器になりうることが理解できて、無事回復されたことに胸を撫で下ろす。先日は、こころ寄せた温かい文章をありがとうございました!あんな温かい眼差しをいただいていることに驚きと感謝と、色んな思いがないまぜとなって、なかなか言葉にできず、今更となりました。あらためてありがとうございます♡

    書き手

    ひらのあすみ

    ひらのあすみ

    長崎県五島市/44歳

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