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    島縞

    島縞
    シマシマ

    きっちりの度合い

    車は当たり前にエンジンがかかるものと思ってはならない。

    金曜、歯医者に遅刻してしまう!急げ〜!!と車に乗り込み、エンジンをかけるも、うんともすんとも言わない。
    何回か試みながら、冷静に頭が動く。
    歯医者の予定を午後からに変更し、車屋さんにエンジンがかからないの⋯と泣きつく。すぐ来るよ〜、と言ってくださるのを待つ間、フリースクールにも連絡を入れた。ずらす前の歯医者は9時20分、フリースクールは10時30分。フリースクールに間に合いさえすれば。

    バッテリーがあがっていたのだけれども、そもそも新しく変えてもらったばかり。
    他に原因があるかも、と代車をいただいて無事に出かけることができた。

     

    「そもそも、歯医者もそのまま出かけてたとしても遅刻だったんじゃない?」
    と娘から言われ、はいそのとおり、と反省する。母は時間の使い方が子どもの頃から苦手。集中し始めるといつまでも止められないし、逆算はギリギリ何も起きなかった状況の、最速のタイムで考える。それではいけないとだいぶ改善はされているものの、端から見ればのんびりしているように見えてしまう。本人は、今をがんがん動き回っていたりするのだけれども。

    方や娘。
    昨日は布団に入ってから、もしも母が倒れたらどうしたらいいかのシュミレーションを始めた。
    始めたと言うか、どうしたらいいかを延々と聞いてくる。不安症のきっちりさんなものだから、母の「大丈夫だよ。なんとかなる。」では納得できない。そして、もしものときには、母子ふたりで暮らしていると本当になんとかなるものではないのだ。
    そうして、電話をかけるところから始まり、救急車の呼び方、ばあちゃんへの電話、ばあちゃんにかからなかった時、誰にもかからなかった時、などなど、この場合、あの場合が広がっていく。数学で場合分けなんて習わなくても、娘の中にはナチュラルな場合分けが存在しているんだなと思った。

    ある面では私もきっちりしている、と思っているが、そんな私から見ても娘のきっちりは、かなりのきっちりである。

     

    今朝、昨日の残りの味噌汁を温めようとしたら、いよいよコンロがカチカチと言わなくなってきた。
    単一電池をクルクルと回してなんとかカチカチといわせる。おしらせサインが点灯して久しいけれど、こういうところは全然きっちりしていない私。

    だんだん娘を起こすことにしよう。
    今日も楽しい日曜日が始まる。

    よい一日を!

     

     

    書き手

    ひらのあすみ

    ひらのあすみ

    長崎県五島市/44歳

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