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    Sophy's philosophy

    Sophy's philosophy
    ソフィーズフィロソフィ

    summit cross

    イタリアの山の頂上には、かならず十字架が掲げられている。

    初めて頂きに堂々とそびえたつ十字架を見たときは、びっくりした。調べてみたところ、主にオーストリア、スイス、バイエルンなどのアルプスのカトリック地域の山頂にあるそうだ。wikiさんは、ここにイタリアを言い忘れてる、と思うのはイタリア贔屓目かな。十字架は高さ4メートルくらいあって、だいたいがっちりした骨組みの金属で作られている。だから遠くから車を運転していても見えるし、頂上まで行くとかなりの存在感があって、そして案外、武骨なんだ。

    家から30分くらい車で行ったところにある山に家族三人で登ってきた。

    初めてその山を登ったのは、たしか12年くらい前。冬の雪の上を、当時大流行りしていたUGGのブーツで登っちゃったから装備が軽すぎて参ったのをよく覚えてる。15センチくらいの雪の中に足がズボズボ埋まった。頂上のロッジで食べた、それはそれはあったかいビーフシチュー(ブラザート)は、いまでも世界一美味しいと思ってる。

    2018。ソフィが産まれて1歳になるくらいに、夫が背中の椅子に座らせて登った。あのときは雪こそ積もっていなかったけど、12月の凍てつく風にソフィがひっきりなしに泣いていた。子育て慣れしない私たちは、ちょっと焦りながら山頂を目指し、最後の頂きへのアクセスでは、夫がソフィを抱っこして登ってたなあ。それでも泣いてたソフィ。

    2024。私は登山靴を履いて、ソフィはキラキラ光るスニーカーを履き、確かな足取りで山の上のビーフシチューを目指す。

    書き手

    sophy

    sophy

    イタリア・ベルガモ/45歳

    ©30YEARS ARCADE