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    Sophy's philosophy

    Sophy's philosophy
    ソフィーズフィロソフィ

    45euro

    父の車を相続手続きしなきゃいけない、ということで、イタリアから一筆書いて書類を送ることになった。PDFの署名機能とかで通してくれたら、ネットで数秒で届くのに、公的な書類ってやっぱり手書きで必要なんだね。

    イタリアの郵送事情は、たぶん世界で有数に悪名高い。。

    基本、届かないと思っておき、3か月や半年で相手に届いたらラッキーくらいの、そんな感じ。とにかくイタリア人からも悪評なので、こういう重要な局面では、一番確実に届く方法を選ぶ。45ユーロのInternational Express.っていうのを選んだ。日本円で7,280円。やむなし。

    ちなみにイタリアでは郵便局の窓口も、評判がすこぶる悪い。まずかなり待たされるし、窓口の人の態度が悪い。そして、遅い…

    ヤバい尽くしのイタリア郵便、ポスタ。名前はかわいいのに。

    わたしの担当をしてくれたのは、60歳はゆうに過ぎているであろうセニョーラ。どこに送るの?日本です。何を送るの?書類だけです。大事な書類?ハイ。

    と言う感じで、提案されたInternational Express.

    とにかく届いてくれることを優先して、費用には目を瞑ろう。宛先と郵送書類を書き込む。「窓口ではなくってどこか別のところで書いて」とセニョーラが言うので、素直に移動して書き終え、窓口に戻るとあのセニョーラは居ない。数分待っても戻ってこないので、隣の窓口のお兄さん(こちらは30代くらい)に「代わりに手続してくれます?」と聞くと、奥で世間話に花を咲かせていたセニョーラをすぐに呼んでくれた。

    イタリアでは、これぐらいゴリ押しで要求しないと、ただ待たされ時間だけが過ぎ、任務が遂行できないことになる。

    セニョーラが最後に私に言った言葉。「ちゃんとうまく手続きできてるといいんだけどっ」

    そしてにっこり笑いかけてきた。仕事はなるべくしないがモットーのポスタだけど、最後の愛想だけは良い。マジで日本までは届けておくれよ、セニョーラ。日本にたどり着けさえすれば、あとは確実なんで。

    以前にも、別のポスタで窓口に出たこれまた60代くらいのセニョーラは、わたしが要件を話し始めると同時に自分の携帯で誰かと話し始めたことがあった。さすがにカルチャーショック!!なんなら人種差別!!って噴気したのを思い出したけど、彼女も最後はわたしに向かって、にっこり微笑んだのだった。

    そのことを夫に話したら、それは差別ではなくて、イタリア人が来てもおんなじことするから安心して。って。従業員を野放しにしすぎでしょ笑。れっきとした公共のサービスなんだけどね。イタリア人からすると、公共“だから”こうなるらしい。もう文化が違いすぎて理解不能になる。

    さて、International Express.は、無事に日本までたどり着いたというメールが届いた。もうこれで安心。

    書き手

    sophy

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    イタリア・ベルガモ/45歳

    ©30YEARS ARCADE