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    Sophy's philosophy

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    ソフィーズフィロソフィ

    glaciers

    Diavolezza というスイスのスキーリゾートから見える、3,900m級の氷河。標高が高いからだろうか、頂には雪が白く積もり、流れ落ちる先は砂と混ざるように灰色に濁る。夏でもこのような眺めなのは圧巻だ。

    温暖化の影響で、ヨーロッパの山々で春先から夏にかけて雪崩のニュースを何度か目にした。この氷河も、このまま地球全体の暑さが続けばいつかは溶けてしまうんだろうか。

    とはいえ、足元に目を向ければロープウェイの出発点が標高2,094m、とても涼しい。温度計の針は昼12時で16度を指し示す。

    ちなみに、ロープウェイを使わずに登山道で登ってる、または下ってる人たちもいる。時間にすると、5-6時間かかるのかな?ヨーロッパの人々は登山好きだなあ。

    ロープウェイは約900mジャンプし、到着点は2,978mとなる。気温は8度。それでも太陽が照らす日差しは強く、半袖短パンの人もいる。

    スキーリゾートだけあり、レストランやホテル、部屋をシェアするロッジもあるそうだ。満月の夜には、氷河を滑り降りるフェスティバルもあるみたい。なんとロマンティック。

    3人分とノンアルビール2本、このランチでCHF110、円換算すると2万円。ひえぇ〜。ここ数年はユーロよりスイスフランのほうが5-6%強い。コロナ以前はユーロの方が強かったけど、どちらにしてもスイスの物価が高すぎて計算した日にゃ全部高い… これはスイスの給与水準が高いわけだ。夫がスイスフランを稼ぎたいといつも言っていた訳がよくわかる。

    さて、山登りが大好きな夫は、ここから80mのエレベーションのある小さな頂上を目指すという。指標では、30分。乗り気でないソフィを「あとちょっと」「さすが」などと励ましつつ、40分ほどかけて一番近くに見える頂上まで。標高は3,066m。

    これは富士山で言えば8合目の手前あたり?などと考えると不思議な気持ちになる。自分の国の最高峰である富士山には登ったことがない。

    空気は薄いような… でも新鮮で清々しさは半端ない。コロナの頃、ここならばゼロウィルスで健康に過ごせたろう。

    目を落とせば視界の先には淡く桃色に染まった平な石が積み重なっている。寒くて植物が育たないのかな。

    登山道の脇には、冬のスキーシーズンに備えて雪を保全している。石だけが散らばるところに巨大な真っ白なテントですっぽりと覆われた風貌は、ちょっとインターステラーみたいで異星感が漂う。

    真夏も雪は冷たくて、そして意外とサクサクしていて、気持ちが良かった。

    書き手

    sophy

    sophy

    イタリア・ベルガモ/46歳

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