30年商店:ロゴ

お便りフォーム

    お名前(ニックネーム)*

    Eメール*

    宛先*

    メッセージ*

    Sophy's philosophy

    Sophy's philosophy
    ソフィーズフィロソフィ

    that sense of hopelessness

    かきぬまさんの日記を読んで、自分のこころと脳が疼いた。

    だけど、そんな親の気持ちを100%理解できないかと言われると「全く信じられない」と、言い切れない自分もいるのだ。子育ては時につらく長い。一歩何かを踏み外せば自分がそちら側にいた可能性だってゼロじゃない。

    わたしも、そちら側に行きそうになった時期がある。それをまざまざと思い出した。自分が怖くなって、日本にいる母に電話して「わたしソフィを虐待しちゃいそう」と話した。母はなんと言ったんだっけか、覚えてはいない。

    あれは、コロナ禍でほとんどひとりきりでソフィと家にこもって数ヶ月を過ごしたあたりだった。夫はそのとき、ロンドンで仕事をしていてイタリアには戻って来れなかった。幼稚園も学校もロックダウンで休校、スーパーにさえ外出許可の書類を記入して出かけないといけない世だった。

    真上に住んでいる義父母ですら、幼な子と住むわたしたちからの感染を恐れて、窓の外からしか会ってはくれなかったのだったな。

    終わりが見えないなかで、ひとりきりで子どもを育てることの絶望感があった。そのなかで、自分自身をコントロールできなくなっていくような恐怖もあった。

    ロックダウンは、たしか2ヶ月を2回くらい経験した気がする。もう覚えてないくらいの過去の記憶となったんだと、書いていて実感した。そんな短い期間ですら、わたしは確かに絶望を見た。

    だからこそ、いまは誰かにとにかく助けてもらいながらソフィを育てていこうとしている。それは、夫だけでなく、言ってしまえば誰でもいい。助けてくれるなら。

    近くにいるみんなで助け合って子育てをするコミュニティに居たいと思う。風早草子さんが代々木公園でみんなで子育てしていたグループ、わたしも入りたいって思いながら読んだ。

    みんなに育ててもらった子どもは、きっと社会の縮図を小さい頃から感じて学んでいくのだろう。昭和の時代はきっとそんな風だったはず。あの頃のように、近所のおじちゃんおばちゃんに見守られながら子育てしたい。

    今日はソフィのドラム教室。トントンタンッと軽やかな音が聴こえてくる。

    書き手

    sophy

    sophy

    イタリア・ベルガモ/46歳

    ©30YEARS ARCADE