
浮記
ウキ
2026年3月9日
みずたまりとばいく
子どもはいま青がすき。『どんな色がすき』ではかならず最初に「あお!」という。その前は長らく赤がすきだった。上下赤の服を選んだりしていた。青がすきないまも二番手は赤のようで、母からの誕生日プレゼントはストライダーをいただく予定なのでどの色がいいか聞く。しかし写真を交互に見せても青だったり赤だったりで定まらない。ランドセル問題じゃあるまいし、適当に買えばいいのかもしれないが如何せん自分がこういう色にこだわりがあるタイプなので好きな色を選んでほしいと思ってしまう。
実物を見に行く予定が金曜日体調がイマイチだったのでもうネットでわたしが代理で買うことになっていた。まあ聞いといてなんだけど、どうせ青だろうと思っていたのに、ダメもとで最後に聞いたとき、じっさい赤のストライダーを走らせている子をみて「赤がいい」というのがファイナルアンサーとなった。だからもう一応明日赤のストライダーが届くことになっていた。
降園後おきまりとなった散歩中、たしかにかっこいい青い自転車をみかけた。手前には旧型っぽい赤いストライダーがあり、上の子用なのか、それともこの赤のストライダーを使っていた子が成長したものなのか、とにかく小学生サイズの自転車だった。それを見て子どもはすかさず「くんの!」と言った。「かっこいいねーでもこれはこのおうちのひとのものだよ」というと「くんのバイクなーい」とのこと。「おたんじょうびが来たら、〇〇(母は名前呼び捨て)がドウゾしてくれるよ。これ(赤いストライダー)と一緒だよ」と伝えると「あおいバイクね!」と自転車の方を指す。エッ。
「あかがいいっていうから、赤にしちゃったよ」というと「ちがうの!あおなの!」と。こんなのにいちいち付き合わなくていいのに、面白半分、あせって「えっ赤いバイクがとどくよ、赤かっこいいよ」と伝える。その横で郵便配達の赤いバイクがとおった。「あーかいばいく、いいー!」
あーよかった、というか、それくらい子どもも女心は秋の空、じゃないけれど、どれがいいとか、あってないようなものなのだ。目に映るものがすべて。だから赤いストライダーを目にしたらきっと気に入る。
日が長くなって、この散歩時間がすきだ。仕事終わりと夜のタスクの合間のいやしの時間。もちろん気を付けてはいるけれど、ちゃんと車の音がしたら「すとっぷ!」と言って固まってくれるようになり、住宅街だし放し飼いにしていい犬くらいの適当な距離感でいられるし。
このあいだ雨あがりの日に水たまりで遊んでから雨が降っていない日も同じ場所に水たまりができていないか見に行く。水たまりひとつで1時間は楽しめるような子どもの目線はそばで見ているだけで面白い。水面がゆれて自分やわたしが居なくなっただとか、勢いよく駆けてできた気泡がパチンとはじけることとか。小さな水たまりなのに、みずうみみたいにきれいで、ゆれる子どもの顔を見てタルコフスキーみたいな美しさだなと思ったり。今日はただの穴になっていたけれど、それもまたよし。まったく日々はうつくしいな。
写真は5年前の北八ヶ岳しらびそ小屋のみどり池。
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書き手

migiwa
埼玉県さいたま市/36歳
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