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    もしもし五島列島

    もしもし五島列島
    モシモシゴトウレットウ

    小さい頃は日常の全てが楽しすぎた。

     

    電車に乗っていたら、小さな子が親に手を引かれて電車とホームの隙間をジャンプと言ってジャンプしていた。とても大きく空を飛ぶように。本当に大きく空飛んでいるように見えた。

    微笑ましくて、孫を見る婆さんのような顔でその子をみ続け、目で追った。

    たった一つの行動、10秒の出来事が、ズートピアの映画見た後くらい、満足してポカポカした。

    別の日、

    ランドセルを背負った小学生2人組の女の子が

    チカチカする信号を1人の子は走って渡って、

    もう1人の子はドギマギしていたら渡りそびれて2人は信号を挟んで向かい合う状況になっていた。

    この状況をお互いがとっても楽しそうに赤の間ずっと待っていて、ずっと笑って興奮していた。

    信号が渡れなかっただけなのに、こんなに楽しいことってあるんだ。

    いや、けど、確かにこんな私もこの、「信号はさみ友達向かい合わせ」の時間がM-1見てる時くらい楽しい時期があった。思い出した。死ぬほど楽しかった。

    商店街の煉瓦をつま先で歩くだけで楽しかったし、信号の白い部分を歩くだけで楽しかった。楽しすぎた。

    最近いろんなことを「つまらない」と言ったり、「つまらないな」と感じたりしているけど、芸人の又吉が、「『つまらない』と感じている先頭にいるのは自分」と言っていたのを思い出した。自分がこうやってつまらないって思ってるだけで日常に溢れていてそんなこと知っているはずなのに。大人になってしまったばっかりに。

    書き手

    中村千結

    中村千結

    長崎県五島市・東京都大田区/24歳

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