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    濁春

    濁った春。この間も雨で、明日以降の天気予報も傘マークばかりで、朝おきたらからだが熱くて、ダルくて、菜の花も桜も太陽を浴びていなくて、空気が重たくて空は真っ白で、高級ティッシュで鼻かんだとき口のなかにもティッシュが触れてしまって「あ、甘いんだぁ」って気づいたけれど何も感じないみたいな無気力。ひとに全然やさしくできない自分とか、たった1日で様変わりしている場所とか、情報通が騒いでいる中いつも自分だけが何も知らないみたいな無気力。大人になってやっと関わりたくない環境や人から脱却できて、苦手なひとたちともうまく付き合えるようになったのに、また学校や先生やお前誰やねんみたいな人たちと関わらなきゃいけなくて、でも結局ぜんたいはいつも温かくて、やさしくて、またイチから自分が学んで変わって、やっと社会に溶け込めるようになる。そんな生き直しをさせられている。季節。

    環境の変化についていけない子どもが、わたしのからだにまとわりついていたけれど、お友達を見つけてやる気スイッチ、身支度。「〇〇~!おはよ~う!」と駆け寄ってっ行った。振り返らずに。お友達はそんな子どもを受け入れて顔を合わせて一緒に遊びをはじめた。

    昨日までいた先生がいなくて、代わりに知らない大人がいて、昨日までいたお友達がいない。そりゃ哀しいし怖い。だけどお友達がいてよかったね。そんな光景をみたあとの自転車の帰り道は、濁った春におぼれてしまいそうで、久しぶりに銀杏BOYZを聴きたくなった。濁った春にぴったりな泥臭い音楽が聴きたくなった。それはつまりわたしも土の中からやっと顔をだした証拠だ。

    いまから爆音で聴きながら洗濯ものを干す。そして仕事する。ちゃんと息をする。ちゃんと自分で新鮮な空気をとりいれて、めぐらせて、頭スッキリさせて、身体動かして、子どもをむかえにいこう。

    書き手

    migiwa

    migiwa

    埼玉県さいたま市/36歳

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