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    風早草子

    風早草子
    カザハヤソウシ

    やさしい気持ち

    本日は仕事を休んで、兄夫婦とともに母のグループホームへ行き、面会。気が重くて兄も私もなかなか足が向かないのだけど、去年6月に入所してから、8月と11月の2回しか行っていない。さすがにそろそろ面会に行こう、ということになった。グループホームからの便り、リハビリ担当からの動画で、それなりに健康に穏やかに暮らしていることは承知している。また叔母らは、我々より面会に行ってくれていて、その様子もLINEで聞いている。叔母らが行った時は、多少の不安は訴えるものの、穏和に済むらしい。

    私と兄が行った時は、不満と不安と憤懣を延々とぶつけられて、かなりの心理的ダメージを受けた。もちろん、母にとって都合が悪いことは忘れていて、一方的な憤懣の吐露に我々は晒された。3年前に医師からアルツハイマーと言われていた母の認知機能は下がり続けており、この母と言い合いをするのも意味がないし、言ったところで「分からせる」ことは無理だ。それでも母は私と兄の顔を見ると、怒りのスイッチが入るようだ。そう考えると、互いの心理的平和のためには、行かない方がいいのでは?と割り切ってきた。薄情な息子たちの勝手な理屈だとは分かっている。

    今日も朝から憂鬱と緊張が込み上げて息苦しかったが、午後ついに兄と訪問。すると、母の認知症状はまた一段進んでいた。兄の顔を見て開口一番「敏郎?」と、自分の兄の名前を口にした。もう20年以上前に亡くなっている私たちの伯父だ。息子だよ、と言って私たちの名を伝えると「あー」と思い出したように見えたが、その後も数回、名を聞かれた。兄の奥さんについては何回名を伝えても最後まで「?」という感じだった。でも来客が嬉しかったらしく、珍しく笑顔を見せて、持参したプリンを「おいしい!」と言って2個食べた。時々来てくれる妹のことは一番はっきり分かっていて「○○子は今日は来れないの?だんなさんの具合が悪いのかな?」と気にしていた。叔母の夫はうちの父と同じパーキンソン病で彼女はその介護もしている。叔母が持ってきてくれた親戚の古い写真が何枚かあって一緒に見た。自分の母親は分かっていた。しかし、一枚、父、つまり母の夫が写っている写真があったが、それは全く分からないようだった。兄とその奥さんは、あれは分かるか?これは分かるか?と色々質問をしていたが、私にはもうそれはどうでもいいことに思えたので、遮って、「今度は何が食べたい?」と聞いた。分からない、というので「カステラ?バウムクーヘン?羊羹?」と列挙してみたら「美味しそうね。食べたい」と言った。自分でも意外だったが、「また近いうちになんかおいしいもの持ってくるよ」という言葉が出ていた。連休には長女が帰ってくる。娘と一緒にカステラでも買って訪ねてもいいだろう。10年ぶり?くらいに、母に対して「やさしい気持ち」になっている。

    認知症が進み、一人での生活が不可能になった母の現状は、人生の最後の「余生」というものなのだろう。母には余生を、安全に穏やかに過ごしてもらいたい、というのが私と兄の思いだった。しかし、母はこれまで際限なく湧き上がる不安と不満に苛まれ、いつも眉間に皺を寄せていた。それからようやく解放されたのかもしれない。そして、私たちが持っていくお菓子を「おいしい!」と笑顔で食べてくれるなら、週に一度くらいは、子どもも連れて訪ねてやりたい気持ちになっている。不思議な感覚だけど、率直にそう感じている。

    日記としてはあとはおまけというか、蛇足だけど一応記録。

    実は今日は職場の飲み会が19時から。しかも先日、私が表彰を受けた賞金で催す会なので行かないわけにはいかない。表彰とか受けるのはいいのだけど、もらった賞金をちゃんと使って報告しないといけなくて面倒くさい。なので、所属するグループの懇親会に使って!とあとの処理も含めて賞金全て、年下の上司に幹事業務を丸投げしたら、日時が今日になった次第。兄たちと別れてまだ16時。雨も降っていてあまり歩き回る天気でもないので、時間潰しに大森から高輪ゲートウェイへ。初めて下車して見物。

    なるほど、こういうところですか。私には縁がなさそうだけど、一通り見学。あまり時間は潰せないかな?と思ったけど、本屋が割といい感じだったので、それなり過ごせた。

    一個だけ気になった店はこちら。

    派手派手なリュックが並んでいたが、コトパクシというアメリカのブランドだそうな。私は知らなかった。店員さんと少し話す。他ブランドの余り布を使って、リユース的な感じで作っているそうで、同じ色と柄のバッグはなく、全て一点物、ということ。へえー。値段は1万7千円くらいでさほど高くなかった。持ってみたら、すごく軽かった。おっさん向けではないと思うけど、長女に教えてやろう。知ってるかな?ちなみにブランドのシンボルマークは「アルパカ?」と聞いたら「ラマということになってます」ということだった。

    ちなみに本屋で今日買った本。そう、日々日記でスペイン語を翻訳して読んでいる中で、通訳とか、ニーズがどうなるのだろう?とか、プログラムのコードを書く人の仕事がなくなっているとか、色々話はある。AIエージェントのブレークは2025年なのかな。私は去年は自分のシステムの仕上げの勝負年で関係ないことに関心を向ける余裕がなかったけど、大きく時代が変わった年だったようなので今更ながらキャッチアップ。私としては、これまで自分ではできなかったことが色々できそうなので、実は試したいアイデアがたくさん湧き出している状況。遅いかな?

    あ、そういえば、昨日の日記に書いたことが耳さんのヒントになったみたいでうれしい。まだまだ色々できる新しいことはあると思ってますが、人のヒントになれるのは素直にうれしいです。

     

    書き手

    海秋紗

    海秋紗

    神奈川県葉山町/58歳

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