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    島縞

    島縞
    シマシマ

    麦を刈るようにスッキリはせじ

    数日前、猫は私と目を合わせてトイレに入っていたのに、今日は向こうをむきながらしてる。
    さては照れてるな。
    もしくは、私と目があって気まずいのに違いない。昨日の夜、猫は浮気して母の布団で寝た。

    夜中、何度か水とご飯を食べに戻ったのを知ってるし、その時目もあったのに、素通りして部屋を出て行きおった。
    母のところまで取り返しには行かなかったけれど、娘が私と猫に嫉妬していたのを思い出し、娘の気持ちが蘇ってキュンとした。

    朝になり母が起きると、猫も起き出さずにはいられなかったようで、娘の部屋にご飯を食べにきた。
    本を読む私と目があい、すり寄ってくる猫を大人気なく責めた。いやいや、こんなこと猫相手じゃなきゃできない。
    性懲りもなく、再度目があった猫に「ツン!」と言って目をそらしてやった。

     

    昨日パチパチいってた麦は、あちこちの畑で刈られ始めている。昔からよく知ってるにおいが周りに漂っていて、あっという間に機械に刈り取られて、必要な部分は袋に入り、それ以外がまた吐き出されていく。やることはいたってシンプルで、そんな機械の動きを見るのは面白い。

    今日は、最後となりそうな甘夏もひとりひとつずつゲットした。この甘夏がどこの木よりもおいしい。
    私が手に傷をつけながら採ったのだけれど、娘が勢いよく最初に「これがいい」と選び、続けて母まで「じゃあばあちゃんはこれ」と選んでいた。

    散歩から帰り、今日は白髪染めをするからお先にどうぞと母に譲ってもらい、娘と風呂に入る。
    でも、ちょっと娘が不機嫌。どうしたどうした。
    「やっぱりこのお風呂はいや!」って、納得していたはずなのにどうしたことか。

    どうやら、思春期特有の男家族への嫌悪感が芽生えてきたらしい。
    じいちゃんと同じお風呂を使いたくない!って地団駄踏んでいて、その気持ちは分かるから、その姿を笑うわけにもいかない。
    娘に起こっている思春期とは、を教える。

    夜になっても、イライラは収まらなかったらしい。
    「こういう雑談の時間って楽しいよね。寝たくなくなっちゃう」といつまでもいつまでもじいちゃんへの不平不満を吐き出す。
    「洗濯は一緒にしてないよね?」って確かめるから、もうこれは思春期間違いなくて「なんとか耐えて成長してくのだよ」と伝える。
    そうは言ったって、やなもんはやなんだ。それはそう。止まらない娘を説得する言葉が見つからず、娘と私の間に転がる猫にアテレコして「私もオヤジなのだけれど恐縮でござんす」としゃべらせた。

    その後、娘の厳しい目は私にも向けられる。
    「パソコンに集中して、終わったと思ったらスマホに集中して。それが終わったと思ったら、今度は本に集中して、終わったらまたパソコンに集中して。いつ私をみるのよ」って責められる。私の膝で寝ようとする猫にまで嫉妬を始める始末。これはもうギューするしかない。

    一人称が自分の名前なのはもうイタいからねって、最近意識して名前で自分を呼ばないようにしている娘の、ツンとデレの見極めが肝心なこの頃。

    書き手

    ひらのあすみ

    ひらのあすみ

    長崎県五島市/44歳

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