三十年商店

30年商店:ロゴ

お便りフォーム

    お名前(ニックネーム)*

    Eメール*

    宛先*

    メッセージ*

    島縞

    島縞
    シマシマ

    ちょっとした冒険のこどもの日

    こどもの日だし、天気も最高だから、でかけよう。

    そうして、初めて琴石の鯉のぼりを見に行く。
    そこまでの道はくねくねなんだけど、本当に目的地があるのか不安になるんだけど、ちゃんとあった。
    地域の人たちがこうやって飾ってくれて、それを見に行けるありがたさ。

    ひとしきり眺めて川辺で遊び、猫たちを追いかけたら、また来た道をくねくねと戻る。
    そして、コンビニでひとり300円のおやつを買ってもらう。こどもの日だから、子どもたちはもちろんのこと、母の子である私も買ってもらった。わーい、って子どもたちとはしゃぎながら選んだ。母も選んでいて、「300円越えてない?」って聞いたら、「そりゃ特別だよ」と返ってきた。出資者の采配。

    お山の上にある公園で、おやつを食べたんだけど、展望台は進入禁止になっていた。ボロボロと崩れているところもあって、老朽化はさけられないけれど、みんなで残念だねって何回も言った。展望台に昇っても、まわりの木々が高くなっていて、ここもまた見える景色は変わっていた。

    汽車は地元の人たちでカラーリングされ、小さな鯉のぼりも泳いでいた。とりまく動物は変わらずにそこに佇んで、私たちを休ませてくれた。ただ座ってそこで食べるだけなんだけど、落ち着く。

     

    帰ってほどなくして、散歩に出かけたのだけれどそこで事件が起きた。

    子どもたちは走って大人の先を行く。
    途中、姿が見えなくなって、甥っ子だけが走って行くのが見えた。あれ、娘はその先か?
    やっと甥っ子に追いついても、娘の姿はない。聞けば、途中隠れていたんだと。でも、そこに戻ってみても娘はいない。胸騒ぎ。ざわざわヒヤヒヤ、嫌なニュースが流れ始めて、否応なく早足。
    甥っ子に一足先に走って帰ってもらって、家にいるか確認してもらう。
    家が見えたころ、甥っ子が「先に帰ってた!」って言った瞬間の気の抜けようと言ったら。
    途中泣きそうだったし、帰って静かに心配したことを伝えたときも泣きそうだった。

    娘は「分かった!」ってそれだけだったけど、夜になって心配かけてごめんねって伝えに来た。
    ひとりで戻る道もとても怖くて、お母さんを追いかけようとしたこと。でも疲れちゃってそれもできなくて、早く帰りたかったこと。何回も心細くて泣きそうになったこと。

    ひとりで行動することがほとんどない母子の、ちょっとした冒険の1日となった。
    忘れられないこどもの日になりそう。

    帰る前にはひと言ほしかったことはしっかり伝えた。でも、心配しすぎなのもあるよな。私も大丈夫にならないと。

    今思い出しても、肩のあたりから腕にかけてプルってなる。なにもなくて、本当によかった。

     

    書き手

    ひらのあすみ

    ひらのあすみ

    長崎県五島市/44歳

    ©30YEARS ARCADE
    This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.