三十年商店

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    もしもし五島列島

    もしもし五島列島
    モシモシゴトウレットウ

    交渉は待つのみ。とにかく人生すべて五島の海に学べ

    たまに、叔母からスナックのバイトに呼び出される。

    叔母に用事がある時は、一人で店番を任されることもある。この前もそうだった。

    ​店番をした後、自分の用事でその場所を少し借りたから、「使用料として、バイト代からいくらか引いておいてね」とLINEを送った。

    いつもは返信が早い叔母なのに、その時に限って、既読はつくけれど返信がない。

    ​その静かな時間に、私は耐えきれなくなってしまった。

    「あ、やっぱり金額が足りなかったのかな」「もっと高く設定すべきだったかな」

    不安に負けた私は、結局「バイト代、いらないよ」と自分からメッセージを重ねてしまった。

    ​後になって気づく。あぁ、私は「待つ」ことができなかったんだな、と。

    ​スナックのバイトは、端から見れば楽に稼げるように見えるかもしれない。けれど実際はそんなことはなくて、いつもどこか「つまらない時間」を切り売りしているような感覚があった。

    もう、はっきりさせよう。私は、本当に働かない。

    ​そして学んだのは、交渉術の真髄は「待つ」ことにあるということだ。

     

    相手の出方を待てずに自分からカードを切ってしまうと、結局は自分が損をすることになる。

    ​松がじっと風に耐えて立っているように、私も「待つ」という交渉術を身につけなきゃいけない。

    そうでないと、私は永遠に、自分の時間も心も、安売りし続けてしまう。

    ​これからは、しずかなひとになって、もっと自分を大切にする。

     

    沈黙に怯えて、自分の価値を自分から差し出すのは、もうおしまいにしよう(ぺこぱ)

    書き手

    中村千結

    中村千結

    長崎県五島市・東京都大田区/24歳

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