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    島縞

    島縞
    シマシマ

    形容詞だらけの月が出た!

    「今日の満月はブルーマイクロムーンなんだって!」
    見頃は19時頃だよ、ってもう20時ではないのと言いながら、母も誘って女3人で各々のスリッパをひっかけ外に出る。

    庭の隣は畑で、その奥に、森みたいな小さな小さな山がある。
    その奥の空がほのかに明るい。
    もうすぐ出てきそう、でももうちょっとかかりそう?
    「ブルームーンって名前だけど、青くはないんだよ」
    娘の仕入れたトリビアを聞きながら、家の裏に回り部屋にいる猫に声をかけて家に入る。

    「ばあちゃん!ツバメの巣が崩れてる!!」
    1度はきれいに作ってつばめが2羽で住んでいたのに、ある日カラスが壊してしまった。
    ひどいことするよね、もう戻ってこないかな。そんな風に言ってたら、どうやら別のツバメたちが巣を修復し始めた。

    毎日毎日、麦を刈ったあとの茎やら、なにやら混ざった土を運んではくっつけていく。
    毎日くりかえしてるのに、一向に完成しない。

    「今度の子たちは新人さんなのか、上手に巣が作れないみたい」って母もハラハラしながら見守っていたらしい。
    何十年もみてきたけれど、こんなに頼りないのはみたことがないらしい。
    そして今日もまた、くっついてたはずの壁が崩壊。

    母はもう寝るから、月が昇ってきたら教えてねって部屋に戻ってすぐにまたやってきて「出た!」と我先に玄関に向かう。
    上を通過する時は動いてるようにみえないのに、水平線から昇ったり沈んだりする時は大きくて、じわじわと動くのがわかって面白い。

    題名を忘れてしまったのだけれど、昔買った漫画で謎多き「十六夜さん」が出てきたのがあった。大家さんだか、管理人さんだか、もう記憶はあやふや。
    題名も忘れたんじゃ、読みたくても探そうにも探せなくて悲しい。

    その漫画で、月は大きく見えても、いつも5円玉の穴くらいの大きさなんだって、主人公が知る場面だけは覚えている。

     

    書き手

    ひらのあすみ

    ひらのあすみ

    長崎県五島市/44歳

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