出雲
11:00 一畑バスJR出雲市発大社行き乗車 天気は雨が降ったりやんだりで肌寒い。 駅中の土産もの屋を視察していたらバス...

山陰編
サンイン
2026年6月13日
3日目
11:00 JR倉吉駅発三徳山駐車場行きバスに乗車
関金温泉から駅までは赤い日本交通のバス、駅から三徳山行きは日の丸自動車の青いバス。事前リサーチで乗り放題パスがあると知ったが、会社をまたいでの設定はなかった。そして駅まで来ないと乗り継ぎが上手くいかない。
倉吉駅から乗車時にPASMOをタッチしようとしたら「100金バスの日」との張り紙あり。地元の方々のものかなと気に留めていなかったが、いくら進んでも料金表が100のまま。三朝温泉は帰りに寄るのでそのまま終点の一つ前、三徳山参道入口で乗る。片道700円だったが本当に1乗車100円だった。小人は50円。お得なんてもんじゃない料金。日の丸自動車のバスだけが100金バスの日なのか、この路線だけなのかは分からないけど、この日はバスの移動距離が長い日だから大変有り難い。

11:35 谷口天狗堂
バスは石階段のすぐ下に停まった。先に昼ごはんを食べなければ、とお参り前に食事処、天狗堂へ。注文を済ませて奥のお座敷へ行くと、今までに放送さた三徳山の特集番組の録画が繰り返されていた。すると、注文した山菜うどんとセットの三徳豆腐がやってきた。

山菜の天ぷらはイメージしていた山菜と違った。「本日の天ぷらはマタタビです」マタタビ⁈⁈あの猫の大好物の⁈そして栃もちの天ぷら!天ぷらも美味しかったが、柔らかいうどんと白い(透明な)出し汁の美味しさよ‼︎普段は硬めのお豆腐は食べたがらないあーぼうだが、ほぼひとりで食べてしまった。その代わり私が栃もち2個。そのボリュームが効いていて汁が飲み干せなかった。

12:10 参拝案内所
本日の、この旅のハイライトである投入堂への参拝は普通の大人で往復2時間とのことだが、実際はどれくらいハードなのか分からない。更に石段を登って行き三佛寺本堂の参拝登山事務所へ。実際、投入堂そのものまで行ける訳ではないが服装や靴を厳しくチェックされる。だがらと言ってガチンコ登山靴である必要はなし。(金属ついてる靴はNG)必ず2人以上登ること、就学児以上が可。
以前登ったことのある友人に
・わらじが買える(足袋型靴下必須)
・半ズボン不可
・軍手必須
と言われていたので、サンダルで行ったら事務所のおじさんに「あんたら、(わらじ履くつもりて)サンダルで来たん⁇」と呆れられてしまった。わらじは藁の手編み、鼻緒はナイロン紐のミクスチャー。900円で買わせて頂く。スニーカーでも縄(有料)を巻けばいいらしい。一応足袋型靴下を持参してたけど、松江の宿でもらった「館内ばき足袋」が大活躍(使い捨て)
おじさんに言われ、ナイロン紐がしっかり踵にかかるよう言われてガチガチに結んだらあーぼうとおじさんに「何してんの?笑 そんな結ばなくても」とこれまた呆れられた。左足をあーぼうに、右足をおじさんに履かせてもらう。
「わらじは踵から降りれば指(鼻緒のとこ)が痛くならないからね」
「水筒は持ってるの?」
と「六根清浄」と書かれた白いたすきのような輪袈裟をおじさんに渡され、入山記録を記入。
「無事に戻ってきたら、明日からなんでも出来るよ」
とおじさんは見送ってくれた。

12:22 入山。
昨晩まで雨が降ったり止んだりだったけど、今日は最高のコンディションだとおじさんが言っていた。水たまりはないし、わらじも滑らない。でも10分も歩かないうちに足袋靴下は湿気て浸水。冷たくて気持ち悪いけど痛いよりマシ。


あーぼうは「(逗子の)お山みたい。ヨユー!」とサクサク登っていく。私もカラダは動くが追いつかない。 結構垂直気味だけど木の根っこは歩きやすい。



そして、いよいよクサリ場登場。このクサリはいつからあるのか?なかった時代はどうやって登ったのよ⁈カズラ坂とかクサリ坂と地図には書いてあったけど、坂の傾斜ではない。

滑り止め付きの軍手でよかった。クサリ坂を登ると文殊堂に上がれる。巨岩を真下からよじ登ってきたような状態。岩上に建てられた舞台造りの縁に立つとにあーぼうは「私、高所恐怖症かも…」と言い出した。真下は森。私は怖いより気持ちいいが勝る。本当にいい天気。休憩しながらこの景色を独占。


するとあーぼうが「ここまででもいい気がする…」と言い出した。え!投入堂まで行けるよ!行こうよ!と言いたかったが、想像以上にクサリ坂がしんどかったらしい。
「ここまでだとボビーと一緒だよ」
と、先程山菜うどんを食べながらTVで見た文句たれ流しボビー・オロゴンのことをふと言ったら「あんなオッサンに負けたくない」と奮起した。





文殊堂で休憩したら俄然ヤル気が出たらしく、その後も地蔵堂、鐘楼堂と進み、決して良くない足場の岩の上や真っ暗なガンガン進み、ついに!投入堂が見えるスポットに辿り着いた。
2人でせーの!と見上げて歓喜の声が響く。

「日本一危険な国宝」と呼ばれているらしいが、危険とかそういうこと以前にどうやって作ったの⁉︎としか思えない。(オフィシャルサイトの)アニメで見た役行者が投げ入れて作った、と言われている伝説が本当のことに思える。1300年前にどうやってここにこれを作ったのか…‼︎‼︎ 正に六根(眼、耳、鼻、舌、身、意)を浄化させる参拝だ。そして贅沢なことに貸切状態で眺められた。(この季節、週末は200人くらい登るらしい)
頑張って登りながら気づいていた…帰りはこの道のりを下るねばならないと。実際、腕も脚も限界に向かっていた。パンパンよ…。あのクサリ坂を下るのは最大の山番だった。足元がよく見えないところで垂直に下るのはかなりの恐怖。さすがのあーぼうも相当自分との戦いだったようで、ここを降りた時は「やり遂げた!」の達成感が半端なかったよう。無事に下山し終えたときのすっきりした、やりきった!という爽快感。

14:44下山
輪袈裟を返しに参拝案内所へ行くと「ようがんばりはった」とおじさんに言われた。わらじの泥を落として持ち帰る帰るための袋もくれた。あと10回くらいらは履ける、と言われたが足の裏はかなり消耗していた。最近は藁も(収穫時に)コンバインで砕いてしまうからわらじ用の長い藁が少なくなってしまうらしい。このわらじを見るたびに頑張ってあのクサリ坂を登った!と思えると私たちも是非持ち帰りたかった。麓まで降りるともう参拝受付も天狗堂も閉まっていた。

15:00 三徳山駐車場
バス停のベンチで休憩。お互いよく頑張ったねー!と労いあう。昨日、島根物産館で買った安来産のミニ羊羹を食べる。登山に最適。沁み入る甘さ。



のどかな山道をバスで10分ほど下った、温泉街手前の三朝車庫で下車。これまた三朝(みささ)って読めない地名。三朝温泉始まりの湯、株湯へ。小さなローカル温泉。ここはシャンプーや洗い場、シャワーはある。ここも「熱い」と注意書きあり。ルーティンで来ている近所の人、観光客でにぎわっていた。熱湯に浸かって疲労物質をしぼり出す。つかるほど長く入れないが。ここも湯船は深めでラドン温泉。汗を洗い流しただけでこんなに回復するなんてと2人して驚く。

あーぼうは湯上がりの17アイス。私は少し歩いて温泉街にある三朝ヨーグルトまでしばし我慢。三徳川にかかる橋の上からワイルドすぎる露天風呂が見えた。河原風呂。おじさんたちが普通に入浴している。「本当に普通に入るんだね…丸見えなのに」とあーぼう。隣にある足湯はやめておく。



16:48三朝温泉観光商工センターから倉吉駅行きバスに乗車
このバスは時刻表によると17:14に駅に到着する。22分発のローカル線に乗りたい。切符は買ってあるし、ロッカーは改札横にある。トイレに寄らなかったら間に合うはず‼︎
17:22 JR倉吉駅発 山陰線鳥取駅行き乗車
バス降車が17:15、あーぼうに続いて走った。構内アナウンスが入ると改札周辺に出発時刻に合わせて集まっている人がホームに降り始めていた。下校する高校生が多い。改札まではあれこれ考えていたのに、何も考えず周りに流されて降りてしまった。ここでいいのか?と気づいてよかった。隣のホームだった。2両編成のオレンジベタ塗り車両の山陰線が現れた。

ボックス席に並んで座り西陽が射す中、鳥取駅まで所要70分。究極にボーっとしたかったから特急よりのんびりできるローカル線に乗りたかった。「ドアは自動では開きません」の車内アナウンス、手動開閉ボタン式のドア。左側の壁にはQRコードのステッカーが貼られ、右側の壁には「扇風機」と書かれた赤白のポッチボタン。天井にある首振り扇風機のスイッチ。扇風機のオンオフは片側の席の人にしかできない。これは私も初めてかも。料金表示や広告物だけ最近のもの、網目の大きな網棚、照明も蛍光灯剥き出し(たぶんLEDにはなっているけど) ああ、電車ってこんな感じだった!さすがに灰皿はもうなかった。

時々見える日本海を左手に、田んぼと山々を右手に東へ走る。眠くなりそうで眠くならない。鳥取の家々はツヤツヤな赤い瓦と黒い瓦の家。浜村駅で後続の特急に抜かれるため22分待つとアナウンスが入った。乗り継げるわけではなく、ただ追い越しされるために20分弱待たねばならないらしい。20分も待つ‼︎ローカル線と特急の所要時間の差が37分。そのうち追い越し待ちに22分使ってしまうのか…わ、これは完全にダイパ思考だな、と考えるのをやめた。

終点ふたつ手前の鳥取大学前駅からびっくりするほどたくさんの高校生大学生が乗ってきて、車窓はいつのまにか高層ビルが増えて都会的になっていた。
<続く>

神奈川県横浜市/50歳