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    島縞

    島縞
    シマシマ

    気づけば網戸にカマキリ

    昨晩父が、トイレから出るとき、段差につまずき転んだ。
    3日続いている下痢も、いっこうによくならない。
    いよいよ母が、明日は病院に連れて行こう、と宣言した。

    そんな朝、母が部屋へとやってきて「外見てみて!山から濃い霧が出てクジラみたいだよ」って子どものようにはしゃいでいた。
    「仕方ないな、写真撮っててあげるね」って、小さい子をあやすみたいに返す。

    私も急遽お休みをとり、娘も連れてゾロゾロと町の病院へ。

    この病院へ来るのは、ばあちゃんのお見舞い以来じゃないかな。
    だから、8年ぶりとか。

    父にすべてを説明させれば、だいぶ良くなったからもう大丈夫、で済ませてしまっただろう。
    だから、母にここ数日だけでなく似たようなことがなかったか、遡って思い出してもらってメモした。
    下痢の症状、ふらつき、手足に力が入らないこと、転倒。
    これまでのことを、しっかり文字にする。

    これだけ見たら、どうして放っておいたのかっていうくらいのことが起きていた。
    視界の外に追いやって、見ないふりしていた事実。

    でも、今日は娘として長子として、その役割を果たせたんじゃないかな。
    血液検査、CT、父の様子、転倒の打撲や擦り傷。

    結果、父の入院が決定した。

     

    朝はサッカー見ながら母への聞き取りに始まり、診察、検査、入院、入院支度、と気がつけばもう夜。
    娘はお風呂上がりにおなか痛い、とベッドに横になりそのまま寝てしまった。
    1日付き合って、気疲れもあったろうね。おなか減ってたのに、食べないまま寝ちゃった。起きたら楽しみにしてた冷凍パスタ食べよう。

    朝と同じ空が、ピンクに染まって台風一過の夕焼けみたい。写真を撮ったけれどなんともピンボケ。

    東の方はこれから台風の影響が強くなるらしい。どうかお気をつけてお過ごしください。

    窓を開けたとき、網戸にカマキリの赤ちゃんを見つけた。
    この雨をしのいで生き延びた命。指でピンと飛ばすのはやめておいた。

     

    書き手

    ひらのあすみ

    ひらのあすみ

    長崎県五島市/44歳

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