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    ピーエス

    世界の読み解き方

    私は妻としばしば美術館へ行く。

    息子が生まれてからもそれは変わらず、よく3人で美術館へ行く。アートは様々な方法でこの世界を翻訳してくれる。その翻訳の仕方は各々の個性であり、そういったものをたくさんサンプリングすることは、生き方の選択肢を増やすことにもなる。

    この写真は横浜美術館に新たな収蔵作品として加わった淺井裕介氏の『八百万の森へ』という作品。7/5-7/7の期間限定で無料公開されていたので見に行ってきた。「ちょっと見に行こうか」と言って気軽に行ける距離にこうした美術館があるのはありがたい。淺井氏は色んな場所の土などを用いて絵を描く。この作品も主に横浜各所の土を用いて描かれたものだ。そうした画材として集められた土も傍らに展示されており、場所によって土の色はかなり違う。触れられないからわからないけどきっと質感や粒度も違うだろう。
    以前どこかで淺井氏のお話を聞いたことがあるが、とにかく描き続けたくて、そのために絵の具を買い続けるのではなくて土を画材とするようになった、と言っていたように記憶している。発見も失敗も成功も、すべてを繰り返しながら、ひたすらに続けられること以上の才能は無いのではないか。

    物心つくより前から美術館によく行っている息子にはこれらの経験がどういう土壌として堆積するか、楽しみだ。

    書き手

    田畠隆志

    田畠隆志

    神奈川県横浜市/47歳

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