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    島縞

    島縞
    シマシマ

    寝るのなら運んでしまえマットレス

    朝、猫による布団半分制圧により起床。
    どういうわけで私の7分の1程度の猫に、面積を半分も取られてしまったのか。
    恐らく、上に乗ってきた猫に対し、苦しくなった私は無意識に体をずらしたのだろう。猫はその広い方へと体を丸めて寝たに違いない。

    それでも私のからだが痛くなかったのは、マットレスを娘の部屋に運び込んだから。娘がどうやら同じ部屋で寝たそうで、2日連続寝る前にめっちゃ話しかけてきた。
    もう一緒に寝ようぜ。そしてフローリングにカーペットを寝床にするのは辛いぜ。
    自明のことなのに。マットレスは折りたたみなのに。あっちからこっちに持ってくるのが面倒だとか、娘とは今夜だけかもしれないだとか、野暮ったいこと考えて2日も自分の体を痛めつけた。1日だって、寝るのなら運んでしまえマットレス。今はこの煩わしさに時間をとらずに、何に時間をとるというのか。

    今日は外での仕事から、14時前に帰宅した。
    実家に着いて、車をバックさせていると、娘の部屋からこちらに手を振る姿を見つける。その顔は満面の笑顔で、駐車し終わる頃には、車の横にやってきて元気に「おかえり!」と言ってくれる。
    脳内でだけ、負けないくらいの声で「かわゆ!」と叫ぶ。

    昨晩は、どうせ話すことなんてないでしょとこれまた拗ねた様子の娘に、あれやこれやと話しかける。
    娘を笑わせることにおいて、私の右に出るものはいまい。
    『たくさん話しかけてもらう』=『愛されてる』のなら、いくらでもくだらないことでも話し続けようじゃないか。

    いつの間にか意識が飛んで、「もう寝たらいいじゃん」と言われてしまった。
    いくらでも話し続けられるけれど、いつでも寝られる母なの。夢の中では話し続けていたよ。

    そうして、今日もふたりと1匹で並んで寝転がる。
    猫は、私の布団3分の1のところを早々に陣取る。拗ねる娘。猫に平穏な親子関係なんぞ知るすべもない。わかっちゃいるけど、猫よ、どうか娘の布団で寝ておくれ。

    寝る時、動画を流している。CMが入り、俳優さんが「〜が心配」と歌うのを、「お母さんが心配〜」と替え歌する娘。
    同じテンションで、指文字の3、0、0、0、を繰り返す。昨日からずっとだ。お年玉の貯蓄分を欲しいものにあてたいらしい。こちらも「わかった」を繰り返しているが、それが『渡す』には至っていないことを娘はまだ知らない。

    猫は丸くなったまま、娘の布団へと移動する気はないらしく、娘はレッサーパンダのダーくんと一緒に布団に入ることを選んだ。

     

    書き手

    ひらのあすみ

    ひらのあすみ

    長崎県五島市/44歳

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