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    山陰編

    山陰編
    サンイン

    松江①

    旅程を立て始めたころ、松江の宿は翌日の移動を考えてJR松江駅前のビジホを予約していた。

    「旅は一筆書き」が基本。

    だとすると、朝来たルートをただ戻るJRじゃないな…と思い始めた。

    宍道湖半のホテルはお高いけど見所とされる場所には近いし、個性的な飲食店も多そう。こっちの湖畔から少し入った城下町エリアだな…と判断し宿を探し直した。

    今回はビジホ以上旅館未満なドーミーの温泉宿、天然温泉だんだんの湯御宿野乃をチョイス。寝台車のダメージを引きずりたくないので温泉で労わろう、と。

     

    16:45 松江しんじ湖温泉駅から宿へ。

    市役所の前を通り茶町商店街、京店商店街へと20分ほど歩く。

    このあたりはまだ城下町の雰囲気ある倉や昔ながらの建物も多く残っている。

     

    店名に昭和の雰囲気漂う飲み屋やスナックが多く、それぞれの時代が程よく混ざっている。我が宿、野乃の向かいにはルートインもありそれぞれかなり大きい。その麓に居酒屋・スナックが巻き付いているようにある。

    この辺りは飲み屋街だったけどビジホやマンションへと街並みの過渡期なのかもしれない。

     

    17:10 天然温泉だんだんの湯御宿野乃チェックイン

    裸足でエレベーターにのる違和感。

    部屋に入ったらトイレかダイブか、それくらいはどうぞ。

    部屋に荷物を下ろしてすぐに数百メール先の予約した店に向かう。

    予想以上にすぐそこだった。嬉しい。

     

    17:25 呑み喰い処やまいち

    お酒が飲めないのに、しかも子連れで飲み屋に行ってもいいものか…とも思ったが、美味しいごはんは酒と共にあり。

    おでん鍋とお惣菜、そして山盛りの春菊が目の前に置かれたカウンター席へ案内された。

    「飲み物は?」と聞かれ、本当はあーぼうと同じ烏龍茶が良かったのに、「ノンアルで…」と言ってしまった。完全に雰囲気に流されてしまった。

    大根、たまご、こんにゃく(あ)

    がんも、しいたけのさつま揚げ風、春菊(私)

    と、おすすめされるままにおでんを最初の注文。

    しいたけ最高!

    肉厚で丸ごとさつま揚げになって味染み染み。

    目の前でさっと煮にられた春菊の爽やかさよ!

    目の前にあった貝が気になり、訊ねてみたら赤貝の煮付けだった。

    「食べてみる?」と言われたら断るわけにはいかない。頂きます!

    「うちは炊き込みご飯にするのよ」と言っていたが、想像しただけでたまらん。

    佃煮でもなく、ガリバタでもなく醤油ベースで程よく煮つけられている貝って食べたことないかも。コリコリしていて歯触りもいい。

    続いて、

    刺身盛り合わせ(かんぱち、イカ、鯵、ヒラメ)

    刺し盛りはほぼあーぼうに独占された。懇願して3切だけ食べられた。

    そして、白米とあーぼう念願のしじみ汁‼︎

    「しじみが豆腐みたいにふわふわだよ!」

    しじみって中身食べれるんだ!

    初めてしるしじみの中身の存在感‼︎

    こんなに大きくてもしじみなんだ‼︎!

    勢いよく白米・大を注文しようとするあーぼうを制していると大将が「うちのはこの(どんぶり)茶碗だよ。普通サイズにして足りなかったらおかわりすればいいから」

    とニコニコしながら嗜めてくれた。

    (あーぼうは私の白米を半分食べ、それでも足りず御代わりした。結果2.5杯。白米も美味しかったもんなー)

    今晩のトリを飾るのはやはりのどぐろ。島根と言えばのどぐろ。

    白米が進んでしまうがここは煮付けで。

    これは食べなければならない。

    味の染み込みがすごい!付け合わせの豆腐も取り合いするほどに。

    優しい口調で実は辛辣な大将と3人のおばば(1人は大将の母親らしかった)のやり取りは松江弁でわちゃわちゃしていて、あーぼうは「(TV番組の)オモウマイ店に出て欲しい。面白すぎる〜!」と言っていた。

    結果定食のようなセレクトになって、居酒屋飯はコレだな、と悟る。

    両サイドのご夫婦が注文していたカニクリームコロッケと肉もやしもとても美味しそうだった。胃袋が3人分くらい欲しい。

    満腹満足で、いざお会計。

    手書きでお会計の紙片を渡されるスタイル。

    メニューはあるが値段がない。

    しかも全てマダムのメモ次第…

    どきどき。お酒を飲まない人の飲み屋に慣れていない、どきどき。

    「¥8,800」と書かれていた。

    大将に「書いといて!」と言われてマダムは書いていたけど。

    あの場の誰かに奢り合いしていたとしても、私たちには分からないまま。

    美味しい思い出、と気持ちよく店を出られた。

    (後でその注文なら妥当な値段だよ、とのんべえな弟に言われなんだか安心した)

    私たちが店を出ると「ここですね!」と案内されて来たご夫婦ありき。

    さっき大将が電話していた、反対方向に行っちゃった客さんだな。

    案内していた人は「よかったですね!それでは!」と来た方へ帰っていった。

    私たちが親切にされた訳ではないけど、とても見ていて気持ちのいい場面だった。松江、いいところだね。

     

    18:00夕食が終わってもまだ明るい。

    宿の受付には「宍道湖の夕陽(が見られる確率)10%」と書いてあったけど、

    宍道湖畔まで消化を促すべく散歩する。湖から流れている大橋川沿いを歩いて向かう。この界隈は小泉八雲、怪談、そして朝ドラ「ばけばけ」。あのシーンのあれやこれやで盛り上がる。そして鳥たちの夕食タイム。アオサギに時間も食われる。

    しじみ漁の船?しじみってどうやって獲るんだろう?

    網を仕掛けているか?投げるのか?朝来たらみられるのか??

    宍道湖は犬の散歩、ジョギング、投げ釣りする人々あり。地元の人々にも憩いの場。

    夕焼けは見られなかったけど、向こう側の晴れ始めている出雲の山々の景色は見えた。涼しくて気持ちよかった。

    宍道湖、好きだな。

    暗くなり始め街の雰囲気も夜モードになってきたので宿に帰る。

    やっぱりネオンが昭和。

    宿の最上階にある温泉からも宍道湖は見えたし、なんと言っても読み放題の漫画コーナーに最近どハマり中のヒロアカがあり、ご機嫌なあーぼう。

    ローカル番組を見ながら私も白バラ牛乳でお馴染みの大山おいしいモナカを食べられてよき1日目をしめくくれた。

     

    <②へ続く>

     

    書き手

    minowanaoko

    minowanaoko

    神奈川県横浜市/50歳

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