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    もしもし五島列島

    もしもし五島列島
    モシモシゴトウレットウ

    ビジネスマナーの無さをアホウドリの「ケッケ」に救われて

    深夜、ふと目が覚めてトイレに立つ。

    寝ぼけ眼のまま、習慣でついスマホを手に取ってしまうのが私の悪い癖だ。

    そもそも、ベットの真横にスマホがないと寝れないのも悪い癖だ。

     

    今ぜーーーーったいに送っちゃいけないけど、メッセージ内容を考えるだけ考えておこう。

     

    そして、こういう時に限って、勝手にメッセージが送られてしまっている。

     

    はああああ!

     

    時刻は午前4時。

     

    とてつもなくマナーも常識もないメッセージを通知オンで送りつけてしまったことに気づき、一気に血の気が引いて目が冴えてしまう。

     

    あぁ、なんて情けないんだろう。

    どうしてあの時、ちょっと粘ってしまったんだろう。画面を閉じなかったんだろう。

     

    自分の身勝手さや常識のなさをぐるぐると考えては、暗闇の中でやり場のない後悔に押しつぶされそうになっていた。

     

     

    そんな時だった。

    外から「ケッケ」と、とぼけたような、でも突き抜けるほど大きな鳴き声が聞こえてきた。

    アホウドリだ。毎朝変な時間にいつもいつも鳴いてて、うるせえなあ、と寝ぼけ眼で思っていた。

     

    こんなアホみたいな時間に、あんなにアホみたいな大声で。

     

    だけど今日の私に取っては、このアホなでかい声が「大丈夫!」に聞こえる。

     

    まるで私の深刻な悩みなんて、どこ吹く風と言わんばかりののんきな声。

     

    その声を聞いた瞬間、ふっと肩の力が抜けた。

     

    そして、

    「ひと鳴きくらい、なんてことないんだ」

     

    私のしでかした失態も、アホウドリのひと鳴きと同じ。

     

    夜が明ければまた新しい一日が始まるし、この静かな絶望も、アホウドリの声と一緒に朝の光に溶けていくはずだ。

     

    なさけない自分も、常識のない自分も、全部ひっくるめて「生きてていいんだよ」と、あの鳥に笑い飛ばされたような気がした。

     

    もう一度布団に入ってたくさんたくさん二度寝した。朝起きてメッセージ見返して少し後悔したけど、まあいっか。けっけ

    書き手

    中村千結

    中村千結

    長崎県五島市・東京都大田区/24歳

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