何気なく交わされた会話が、いつまでも耳の穴にひっかかってこだましているうちに、なんだか許せない気持ちになって、少し涙が滲んだのは、その何気ないと思われていることが、私の中では何気なく交わされるようなことではなくて、未だそこに囚われていることに気づいてしまった。
何を許せないのか、許せないということは何かのせいにしているってことか、ってため息がでる。何かのせいだったら楽だったのか。

こういうモードはだいたい、ひとりで運転している時だったりする。
今日も海がキラキラ眩しかったなあ。あーあ。

家に帰れば、娘は猫との散歩を楽しみに待っていて、私がお風呂に入っている間とそれからしばらく後も、冷たい風が気持ちいいと、だんだん暮れるのが早くなった夕日の中にいて、秋がひとりと1匹の距離を縮めたみたい。

今晩は水炊きで、はふはふしたのが体に収まって温まる。

布団でうとうとする私のところに、歯ブラシを持ってきてくれる娘。
「ほら、磨かないと虫歯になるよ」
近頃は、言われた台詞をよく使う。おかげで、私の歯もツルツルになって、いつでも寝れる状態。

なのに、今もまたひとりと1匹とで私のベッドを占領して、仲良くゴロゴロしている。
腰を労りながら椅子の上で、今晩は『火の鳥 - ヤマト・異形編』。