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    島縞

    島縞
    シマシマ

    山のぼたもちと、夕飯の煮物の巾着もち

    実家のカーテン事情、あっという間に完結。
    昨日の通り、私の部屋はレースカーテンなしで設置位置だけを変えた。

    娘の部屋にはもうひとつ、カーテンレールが必要だって話をしていたら、母から「そこにもあるの、とってしまっていいんだけど」って和室の窓際を指しながら。
    そういえばあったね、って程度なのは、いつもは障子なのが夏の間だけカーテンに変わり、その存在は私の中にもはやなかったから。
    数年前、今はもういない猫がレースカーテンに飛びついて、みごとにその爪でさいてくれて、それからもうカーテンがかけられることはなくなったのだそう。

    40年近くそこにくっついていたネジはなかなか回らなくて、時間をかけてやっとこはずした時はクタクタのフラフラ。連日手をあげていたからか、体重も何百グラムか減っていた。

    今はもう吸っていないけれど、父はかなりのヘビースモーカーだった。
    毎日ハイライトをスパスパしていて、taspoが登場するまではお小遣いをもらって近くの商店とか自販機に買いに行っていたのを思い出した。
    そんなニコチンとホコリのないまぜがサビと見紛うほどのかたまりとなってくっついたものを、何回か拭いてやっと元の素材が現れた。

    その合間、カーテンを数年ぶりに洗濯。数年ぶりと濁したのは、購入してから一度も洗ったことがないのがばれるのが恥ずかしかったから。4年も洗わず、窓辺に垂らし、そよ風を気持ちいいなんてのたまっていたなんて、恥ずかしすぎて言えやしない。

    娘の部屋用の、猫のイラストが描かれたレースカーテンは、もともと黄みがかっていたけれど、この茶色はやっぱり黄みがかりすぎなんじゃないか。娘と恐る恐るそんな話をしていたけれど、やっぱり茶色じゃなくて、ほんのりクリーム色だった。クンクンしても臭くない!本物の気持ちいいそよ風を感じられるようになった。

    さらにその間、猫の背中の毛を逆さになでてボッサボサにしてみた。
    母と勝手に仮説をたてた『猫の毛形状記憶説』を検証してみようと思った。ちょっと疲れてたんだろうなって今となっては思うのだけれども、どうでもいいことだけを考えたかったのかもしれない。
    背中がぶるぶるんっと小刻みに動いて、半分くらい逆毛じゃなくなって、これはいよいよホンモノの説ではないのか、と母にも娘にも背中を撫でないように伝えた。

    それなのにカーテン事情に終わりが見えた頃にはすっかり頭から消えてなくなっていて、猫の背を撫でながら、そういえばもとに戻ってるけどどうして戻ったんだろうって思いつつ、同時にまあいいかってなっている。

    やっぱり猫はおもしろい。

    なんだか週1にまで減ってしまっているような散歩では、椿の木になる『ぼたもち』を初めて見た。

    母がそういうのだと、興奮しながらとってみせてくれた。「ガブッと食べてごらんよ」ってニコニコしながら言うから怪しいなと小さくかじったらたまらなく酸っぱかった。「ガブッていっぱい口に入れれって言ったのに」と母は悔しそう。母の精神年齢は、甥っ子のと同じくらいなのではないかとよく思う。

    母は『ぼたもち』と呼んでいたけれど、次の瞬間には「あれ?名前あってたかな」ってあやしい。
    ただ、「この実を見つけたらものすごい嬉しいんだよ!」とその興奮は強く記憶に残っているようだ。

    Googleレンズで検索すれば、

    椿の果実がもち病という病気にかかって変形した「菌癭(きんえい)」、通称「椿のもち」と呼ばれるものだと思われます。

    とのこと。母が『ぼたもち』と呼んでいたというのもあながち間違ってなさそう。
    検索結果によれば、中のフワフワの部分は甘いらしいけれど、表面だけかじって母に向かって投げたから、フワフワの味はわからぬまま。
    (写真は家に持ち帰ったものだけれども、1ミリ以下の小さな虫がぴょんぴょんと飛び出すさまを見て写真を撮ったらすぐにさよならした)

    家までの間もずっと、母の目は『ぼたもち』を探していた。

     

    ツツイさんが書かれていた『長周期地震動』は今日のニュースで初めて目にしたかもしれない。『体験したことのないめちゃくちゃ気持ち悪い揺れ方』と書かれていて不気味さを感じた。

    どうぞ気をつけてお過ごしください。

     

    書き手

    ひらのあすみ

    ひらのあすみ

    長崎県五島市/44歳

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