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    島縞

    島縞
    シマシマ

    不安な夜は、みんなでトランプをしよう

    雨の日曜は、雨を言い訳にして何もしないことにしよう。

    バッテリー1桁のパソコンを放置して、「ちょっと狭くてバランスボールでゴロゴロできないんだよ!」と訴える娘の部屋へ。

    「この本棚をここに置けない?」
    「そこに置いちゃうと、ぶつかったときにゆらゆらしてものが落ちたら危険」
    壁にくっついていたのを横から縦向きにしてみる。
    「わっ!漫画がサッと取れるし、明かりがまぶしくない。めっちゃいい!」

    テーブルも横から縦にして、ベッドとテーブルの間を広げてみる。
    「いいじゃん!これで転がれるよ」
    ってご満悦。私のセンスが、まだ娘に通用することが嬉しい。

    だんだんお昼で、『チャリメラ』を作ってあげる。秘伝の粉、ちいかわもおいしいって食べてるし大丈夫だろう、と確かめもせず全部かけてたら、鼻がスパイシーな香りを感知する。しまった、食べられなかったらどうしよう。

    食べられなかったらお母さん食べるからって渡したら、おいしいおいしい、と食べてしまった。食べられるものに胡椒が追加された。

    明日、友人宅にお邪魔するのでお土産用に珈琲ゼリーを作った。
    娘と作ったのが思いの外美味しかったのと、お仕事でいただいたのがたまらなく心に残っていて、今回はこれしかないと思った。

    15時すぎ、急に周りの機械音と明かりがふっと消えていく。
    ブレーカーの落ちる音はしなかった。久しぶりの停電。雨風は強かったものの、雷のゴロゴロは全く聞こえていなかったからなにがどうしてどうなった?とワタワタする。
    同じ町に住んでいる弟のところも、隣町に住んでる妹のところも停電。なんなら、長崎県内あちこちで停電が発生。
    夜まで続いたときのために、ライトを準備して、恐いから一緒に寝ようという娘の部屋に私のマットレスも運び込む。こんなときにもサッと持ってきて置けるんだから、娘のベッドとテーブルの間を広くしといてよかった。

    結局1時間くらいして点いたけれど、通信はしばらく回復せず。
    ないとどうにも困ってしまう、当たり前なものになっているなんて、子どもの時分には考えられなかった。AIもそうやって当たり前の代物になっていくんだろうな。

    こんなとき、オロオロするのは人間ばかりで、猫は冷蔵庫の上で優雅に昼寝。
    「電気つかなくて、ドラたちは大変だよね」って子どもたちは心配していたけれど、猫はたいそう大きなあくびをするだけだった。

    停電前、テレビで、きっと偉い人がにわかのお面をおでこに、博多どんたく開幕の挨拶をしていたのもよかったな。思い出し笑いしちゃったもの。

    夜になってもまだ停電の不安を引きずる娘が、みんなでトランプをしようと言う。
    ジジ抜き、お金、豚のしっぽ、と何試合かやって、20時に終了。賑やかに、みんなで笑ったら、娘も安心した表情をみせてくれた。猫と川の字でゆっくり眠れそう。

     

    書き手

    ひらのあすみ

    ひらのあすみ

    長崎県五島市/44歳

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