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    島縞

    島縞
    シマシマ

    消化不良でした

    多分、消化不良をおこしていたんだと思う。

    ふたり暮らし、しかも引きこもり。だったのが、実家で暮らすようになり、家にいる人数は倍になった。
    目からも耳からも、入ってくる刺激は大きくて多い。それを、これまで通り、受け止めて、飲み込もうとしていたんだもん。

    お試し暮らしからちょうど2ヶ月、実家に腰を据えて1ヶ月となる今日、ふと思い至る。
    ああ消化不良だ。

    あれもこれも強さをもって私の中に入ってくるのを、取りこぼさぬよう、必死でキャッチしていた。
    実家ぐらしはもちろんのこと、同時期に再開した在宅のお仕事も、外へ働きに出るのも。そうだ、読書会にも参加し始めてたんだった。
    言葉にするのも追いつかないくらいに、たくさんのことが押し寄せてきてた。

    そこに、土門蘭さんや古賀及子さんの書くことをインプットして、私の中のこうあらねばが暴走をしてしまった。
    よく考えなくても、先月末からジャーナリングも止まっていたし、夜のヨガも、朝のラジオ体操もちょっと今は⋯と手放してしまっていた。

    ちょっとお休みするつもりだったんだ。どれも。でも、1度止めてしまうと、再開する気すら起こらなくなっていた。

    そうして、いっぱいいっぱいになった状態。娘とも衝突する。
    うまく気持ちを言葉に出せない娘に、はいはいじゃあご勝手にどうぞ!って気持ちを全面に出して、娘の部屋を出て来てしまった。

    散歩の予定で、甥っ子も母も外に出ていた。私もひとり、外に出たのだけど、娘はいつまでたっても出てこない。窓から覗くけれど、部屋にもいない。
    靴を脱いで私の部屋を開ければ、壁に隠れてうずくまっている。

    母から手を振りほどかれ、その場に置いてきぼりをくらい、寂しさで一歩も動けなくなったように。

    ああ、久しぶりにやってしまった⋯
    そういう感覚を、手に取るほど分かるのに、私自身もやってしまう。やってしまって、しまったごめん、と思ってもその言動は取り戻せない。

    「今、こんなふうな気持ちにさせてるよね」って声かけしてから、「寂しい思いさせてごめん」って謝って背中をさする。
    こらえていたのが、ううって聞こえてきた。心細くさせてごめん。

    ただ、ここから気持ちを立て直すのが以前より早くなった娘は、とても強くなったなと思う。涙を拭いて、みんなで散歩に出かける。

    おたまじゃくしが、黙って底に沈んでたと思ったらすごい勢いで水面をつついてまた潜るを繰り返しているのを、面白がっていつまでもみた。甥っ子が「連れて帰りたい」というのを「母ちゃんが許さんやろ」と制す。

    桑の実がだんだんふくらんで、ほんの少し暗い紫になってるのを採って食べたり。いよいよ最後の甘夏を、やっと採ることができて、道すがら4等分にして食べたり。

    太陽を突き抜く勢いの飛行機雲が、じわじわとほどけて、一反木綿がたくさん1列に並んでるみたいだったね。

     

    書き手

    ひらのあすみ

    ひらのあすみ

    長崎県五島市/44歳

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